本日は週明けながら波瀾続きです。朝は週末クローズ時に下げた株価によって大きく下窓となったものの、その後出たFRBの緊急利下げによって急騰したにもかかわらず、再度急落とせわしない展開です。その後は一旦持ち直しましたが、日銀会合が市場の期待より低い内容であったからか、売りが再度優勢になり、ランド円は結局7.32円まで下落しました。少しは持ち直しの兆しはあるものの、始値である部分からは大きく下落しています。
正直、7.32円まで下がるとは考えていませんでした。これは今までの上昇波動に対してのフィボナッチ・リトレイスメントの観点から7.38円前後までの下げはあっても、それ以上の下落は可能性として低い(最大でも6.274円までは下がらないと考えていました)と考えていた洋傑にとっては想定外の流れと言えます。
このまま下落が続くのか、反発するのかについて、諸指標推移やエリオット波動の観点を含め、書いていきたいと思います。
※本記事内容は洋傑の個人的な見解に基づく展望を書いております。あくまで個人的見解であり、明確な先行きを示唆する内容では無い点をご理解の上、ご覧ください。
◆諸指標推移考察:相場不安定ながれも、やはりリスクは後退傾向と考えます
①株価(日経先物)
朝から軟調推移です。早朝のFRB緊急利下げによって一瞬暴騰しましたが、その後はずるずると値を下げており、日銀発表の後に失望売りともいえる下げを見せました。その後も継続して下落が続いており、遂に株価は直近最安値を更新してしまっています。朝の緩和政策が全く意味をなしていません。
今後の推移については、16000円ラインと15000円ラインに抵抗帯がありますので、ここまでの下落で一旦反発する可能性は一定あります。但し、株価単一の指標判断としては「どちらともいえない」状況であり、連日の不安定推移からみても確証が持てる段階ではありません。
②通貨インデックス
朝から一貫してドル安・円高の傾向が顕著です。あまり目立っていませんが、諸通貨も総じて高い(横ばいに近い?)位置で推移していますので、完全なリスクオフとは言えない状況であると思っています。
今後の推移としては円が0.009500と0.009550前後に抵抗帯があり、いずれかの地点で反転する可能性はありますが、現在の推移を見る限りはまだ反転の気配はありません。また、現在値前後は直近最高値から続く下落ラインの上限にも当たりますので、上抜ける可能性とは別に、一定の抵抗ラインとして機能する可能性が高いです。
ドルに関してはまだ下落する可能性が高いように感じています。これはドルインデックスが短期の上昇ラインを下抜けした事が大きいと見ており、また緊急利下げによる影響もまだ強く残る今晩に於いては、然程の上昇はしないと推測するからです。
③先進国債利回り(米国・日本・ドイツ)
債券推移は株安とは裏腹に(先週も同じですが)、比較的売りが優勢な状況です。ドイツ債に至っては開場後から一貫して売りが優勢であり、米国債も朝は買いが大きく入りましたが、その後はじりじりと売りが続いている状況です。日本債も同様で、債券推移(利回り)はどの指標サンプルを見ても上昇傾向であり、顕在リスクは後退していると言えます。
今後の推移についてもこの流れが一気に変わるとは考えにくく、FRBの緊急利下げによる影響も震源地である米国時間から出てくるのではないか、と考えています。
④リスク指標(金)
金価格は朝からほぼ横ばい推移でしたが、ここにきて急落しています。ドルインデックス自体は多少上昇下程度ですので、明らかなリスク後退が伺えます。同じリスク指標の側面が強い債券と併せて考えても、リスクは後退していると見て良いと考えます。
⑤南アフリカ債利回り
こちらは異常上昇しています。明らかにランドインデックスは低い水準であることが推測されますので、今後の流れとしては上値の重い展開が可能性として高いと思われます。
◆総評
ランド円は株価の不安定推移や南アフリカ債利回り推移から上値が非常に重い展開が続く可能性はあるものの、概況の潜在・顕在リスクは確実に後退傾向であり、本日の下げに対しての戻し(ショートカバー)は今後起きる可能性が高いと考える。
ドル推移はまだ下落ないし横ばい推移が続く可能性、また円に関しても上値抵抗が強いラインに至っている点から、相場反転とまではいかずとも一定の抑え込みにはなる可能性が高く、今後の展開としては概況に対しても下値圧力は弱まると考える。
今後のランド円に対する概況(諸指標推移)は、アップダウンを伴いながらも行って来いになる展開を推測する。
◆エリオット波動推移:かなり大きな上昇になる?
さて、エリオット波動とテクニカルの観点から現在の動きを見てみたいと思います。
洋傑の見解では、今の波動は6.015円を始点とする調整(今の時点ではそう見ていますが、まだこの点は検証が必要です)波動abc波のジグザグ修正だと考えています。そして現時点ではそのc波にあたる部分に
あると見ています。その詳細は以下の通りです。
①ジグザグa波:6.015円→6.678円(0.663円)
②ジグザグb波:6.678円→6.274円(0.404円)
③ジグザグc波:6.274円→現在進行中
ⓐc-1波動:6.274円→6.732円(0.458円)
ⓑc-2波動:6.732円→6.297円(0.435円)
Ⓒc-3波動:6.297円→??
先ほど付けた安値をc波内2波動目終点と仮定して書いていますが、このジグザグ修正が成立する上に於いて、6.274円を割り込む展開にはならない事が必須となる為、これを割り込むと展望破綻となります。
ジグザグ修正は5-3-5波動の構成となります。既にa波とb波はそれぞれ5波動・3波動が成立しており、c波でもこの5波動が発生する事が考えられます。ですが、上述の波動構成ではまだ3波動目も始まったばかりであり、この3波動目はエリオット波動の構成上、かなり上昇しないといけない事になります。
エリオット波動の基本条件の一つに「1波動目終点(2波動目始点)と4波動終点(5波動始点)は重複しない」といったものがあります。その理屈でいくと、4波動終点は6.732円より高くないといけない事になり、自動的に3波動終点はかなり高値になる事となります。
その場合にどれほどの上昇幅となるのかを推し量る上に於いて、以下の2点が参考になります。
①直近下落幅に対してのフィボナッチ・リトレイスメント
②ジグザグa波に対しての定倍数(1.000倍・1.382倍…)
今回は①について、どの幅で見るかが判別できていないので、②に絞って考えてみます。
◆ジグザグa波:0.663円
ⓐ0.762倍:0.505円(6.779円)→構成上無理がある
ⓑ0.786倍:0.521円(6.795円)→構成上無理がある
Ⓒ1.000倍:0.663円(6.937円)→構成上やや無理がある
ⓓ1.238倍:0.820円(7.094円)
ⓔ1.382倍:0.916円(7.190円)
ⓕ1.618倍:1.072円(7.346円)
以上の値で考えた場合、今回の上昇はⒸ~ⓕという、かなり大規模なものになる可能性があります。
◆総評
現在のランド円は6.015円から始まるジグザグ修正波動c波途上であり、6.274円を割り込まない限りはこの推論の可能性が非常に高いと考える。その際の今後の上昇は7円越えの可能性が、理論上高い。
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