ランド円コラム(南アフリカ債利回り推移で相場を先読み★)

 コラム記事の本丸、一番重要な内容に触れてみたいと思います。

 今回書くのは「南アフリカ債利回り」についてです。この内容については、幾つかの記事に分けて書いていきたいと考えています。その理由としては、「書く内容が非常に広範に渡る」「一度にすべて書くと、分かりづらい」などから、数回に分ける予定です。

 その分ける記事も、多くなった場合には10項目位できるかも知れません。それほどにこの指標推移は、洋傑のランド円トレードに於いて”目からウロコ”の出会いであったと思っています。

 

 この指標に出会うまでは、エリオット波動をはじめとしたテクニカルや、オシレータを懸命に駆使してトレードを行っていましたが、ランド円にはイマイチ反応が悪く、勝率UPには繋がりませんでした。

 そもそも、仕掛けた方向が正しいのかどうかすら、この指標が無いと分からない事が多いです。大きな動きを示す際には必ず手前にアップダウンがあるランド円だけに、その重要性は例えるなら、「羅針盤」に他なりません

 

 今回は南アフリカ債利回り記事第一弾という事で、最も実用性の高い見方を中心に書きたいと思います。

 

 記事内容は洋傑の今までのランド円トレードや指標推移を見てきた中での経験則が大きなウェイトを占めています。一般的な分析内容や判断方法とは異なる可能性は否めません。

 また、下述内容はテクニカル・オシレータでの内容を含まず、主に諸指標推移に基づいての方法を記載しております。その点を予めご理解の上、本記事をご覧ください。

 

 コラム記事については各ページ下部にリンクを貼っておきます。必要時に都度ご覧いただければ幸いです。

◆長期展望にも、短期展望にも使える万能指標…

 

 今まで洋傑が基本項目で記載していた通り、諸指標推移を以下のもので分別しています。

①株価

②指数(通貨インデックス)

③債券(先進国債利回り・主に10年物)

④リスク指標(金・銅・原油)

⑤クロス指標

 いずれの指標も、中期スパンの展望を推し量る上では必須のアイテムと言えますが、ランド円が激しく動く時間帯(主に欧州市場稼働中)に於いては、ほぼ南アフリカ債利回り(10年)一択で、その動きを探れると言えます。

 

 ここまで言い切ってしまうほど、南ア債利回りの推移に基づく展望の信憑性は絶対的なところがあります。

 この点については、皆様が実際にお使いになって、体験するのが一番かと思いますが、多分そう思われます。それ程までに、この指標の威力は絶対的です。

 

 通常、様々な通貨ペアのトレードを行う際に用いる諸指標推移は、上述の5項目を総合的に押さえて方向性を探る、又は、テクニカルを駆使してトレードする事がもっぱらで、単一指標でトレードを行えるものはありません。

 ただ、ランド円に関しては、この指標を押さえておくことで、それまでのトレードとの勝率は劇的に変わります。少なくとも、真逆の方向へ全力トレードするような、無謀な展開にはなりづらくなります。是非ご活用ください。

 

 洋傑がこの指標と出会ったのは、トレードを始めて半年程度でしょうか。

 諸指標推移に基づくトレードを模索している際に見つけた指標ですが、その推移とランド円の動きの相関性に衝撃を受けたのは、はっきりと覚えています。

 

 その南アフリカ債利回りにも、調べられるものは主に以下のものです。

長期債(30年・25年・20年)

②中長期債(10年・5年)

③短期債(2年・3カ月)

 今回メインにご説明するのは10年債となります。日々使うのはこの指標になると思います。

 

 この指標の利便性の高さは「短期展望」にも「長期展望」にも使える万能指標である、という事です。その際の見方は全く異なってくるのですが(この辺は以後のコラム記事で書きます)、使えば使うほど便利な指標です。

 

 本題に入る前に、基本情報として、南アフリカ債利回りについて少し記載しておきます。 

◆まずは南アフリカ債利回りについて知ろう

 

 まず、南アフリカ債利回りは、通常の債券利回り推移と見方が全く異なります。

 というのも、そもそも債券としての捉えられ方が異なる為、推移と対策が異なってくるのです。

  

 通常、債券はリスク回避の金融商品として用いられることが多いです。債券は株や通貨(指数)と異なり、その運用利回りが低い反面、リスク自に於いても推移が緩慢であることから、安全資産として認識されています。

 日本債(10年)などは、その最たる例であると言えるでしょう。

 

 ですが、新興国の債券利回りを見て頂ければわかりますが、非常に高利であることがわかると思います。新興国は信用度が低いため、その対価として利回りが高い側面があります。よって、新興国債券の売買は通常の債券売買とは取り扱う主旨が異なってくる、という事がお分かりいただけると思います。

 

 先進国債…リスク回避の安全資産

 新興国債…リスク選好の投機商品

 

 …といった捉え方で良いと思います。

 故に、通常先進国債利回りは上昇すると「リスク回避資産売りが優勢」という事でリスクオンとなりますが、新興国債利回りは「リスク選好資産売りが優勢」という事でリスクオフのサインとなります。

 つまり、ランド円に置き換えて考えると…

 

 南ア債利回り下落…ランド円上昇

 南ア債利回り上昇…ランド円下落

 

 となる点を基本情報として、以下の内容をご覧ください。

◆直線で捉えず、ラインで抑えることが重要

 

 南アフリカ債利回りを押さえていれば、勝率もグンと上がりますが、それも見方を間違うと 意味がありません。

 「利回り上昇だ!売り売り」では、全く推移がかみ合わなくなります。その点について記載しますね。

 

 結論から書けば「トレンドライン内は、推移に基づきランド円が動く」という事です。チャート推移に於いては上昇・下落ラインが形成される事が往々にしてあると思いますが、南ア債利回りについても同様で、トレンドラインを形成している間は、ランド円に於いても相関した推移になります

 

 よって、上昇・下落ラインを上抜け・下抜けした場合、直近でトレンド転換する可能性が高まります。この指標の便利な点として「相場の先行指標」である点です。上述のトレンド転換をした場合でも、暫くはランド円に反映されないケースが非常に多く、「しばらくして」動きに出る点は、正に予知指標ともいえる便利さです。

 むしろトレンド転換時に最安値・最高値を出すことも多いので、じっくりとチャート推移を見定めて臨めます。

 慌てずに気を見てトレードできる、この指標の使えるポイントと言えます。

 

 ラインの線引き・転換の見極めなどは、訓練が必要かもしれませんが、慣れればかなりの実用性を帯びます。

 この点についても、今後の記事で随時更新していきたいと思います。

◆実は急激な推移より、緩やかな推移の方がより強いトレンドに??

 

 これも上述記事と一部重複する内容ですが、急激なチャート推移になったとき、その流れが一気に収束するような現象を、皆さんも多く見てこられたと思います。代表例で言えばアメリカ雇用統計でしょうか。

 ああいった急激な推移になった場合には、南アフリカ債利回りに於いても、トレンドが長く続かない事が多く、急激に上昇したから暫くは大丈夫、といった考えは、むしろ危険と言えます。

 

 長いトレンド形成を成す際には、比較的緩やかに、じりじりと動くケースの場合が安定しています。チャート形成の流れをみて「これは長くは続かないな。しばらく静観だ」といった対策もできる訳です。

 勿論、まれに急激な推移が続く場合もありますので、その点は見極めが必要です。

◆南アフリカ10年が基軸指標ながらも、先行推移を掴むには20年が有効度高し

 

 今までの話は10年債利回りを中心とした話でしたが、10年債利回りを見ていて「動きが微妙だな…どっちだろう」と思う事も多いのでは無いでしょうか。はっきりとしたトレンドラインを形成する日ももちろんありますが、そう毎日順調に進めないのもFxの常です。

 そういった際に、一つの検証指標として20年債利回りが有効となるケースが多いです。

 

 南アフリカ20年債利回りは10年より細かい動きをするケースも多い指標ですが、細かい動きを示す=より詳細な推移を見定めることができる、とも言えます。これは実際に指標を見ながら実践するとよくわかりますので、一度ご確認ください。

 その20年債、上記の特性から10年債利回り以上の先行指標となるケースが多いです。10年債利回りではトレンドラインの上抜けないし下抜けといった”トレンド転換”がまだ明確に出ていない時でも、案外この20年債利回りで確認したら抜けていた、という事が間々あります。このような場合に、概ね20年債出た動きに10年債利回りが後追いで同様の流れに沿った展開になる事が非常に多いので、「先行指標の先行指標(2年債利回りとは別の意味で)」となって実用性が高いです。

 

 デメリットとしては、上述の通り、先行指標より先行した動きになっていることが多く、それ故にトレンド反転したとしても、その動きがランド円に反映されるのに10年債(こちらでもランド円に反映するには時間がある程度かかる)以上に時間を要します。

 「トレンド反転だ!」と思って買いないし売りを仕掛けると、まだ暫くは逆方向に動くケースが多いので、エントリー時間に対して注意する必要があります。

 

 同じ長期債に25年や30年などもありますが、20年より動きが緩慢である点から、長期債としては20年を押さえておけばほぼ問題ないと思います。

◆南アフリカ債利回り(10年以上)とランド円推移の特性について

 

※この項の内容は、より洋傑の個人的見解要素が大きい内容となっています。予めその点をご理解の上、お読みください。

 

 これまでの内容で、中期以上の債券利回りが下落するとランド円は上昇、逆に上昇するとランド円が下落するといった内容を記載しましたが、仮にいざ下落した時にロングをエントリーした際に、ランド円が下落する、といった現象を、皆さんは経験されたことはないでしょうか。

 最終的にその利回り推移が下落ラインを形成しているのであれば、ランド円はいずれ上昇に傾く訳ですが、トレードする者としては少しでも良いポイントでエントリーしたいところですよね。そのタイミングを見計らう上で、債券利回り推移の特性を掴んでおけば、より良いポイントでエントリーできる可能性が高まり効果的です。

 

 これは上述の通り、かなり個人的かつ偏った見解ではあるのですが、今までの経験から、南アフリカ債利回り(中期以上)はランド円との相関性に於いて、”下落=ランド円上昇 であると同時に 下落=ランド円下落 の性質も持ち合わせている”と考えています。

 

 …ちょっと何を言っているかわからない、と思われるかも知れません。もう少し具体的に書きます。

 今までの記事内容に於いて、中期以上の債券利回りはランド円相場の先行指標であると書きました。上記の洋傑の個人的見解は、その内容からは逸脱していない内容です。

 つまり、今回のコラム記事にてメインに書いているのは「デイトレードに於ける先行指標として、上昇ないし下落ラインの形成期間中は、その推移に沿ってランド円が上下する」という内容ですね。この項の内容は、それをもっと短く見た場合、南アフリカ債利回りの、より細かい上下で成立しており、その上下も若干の先行指標として作用する為、利回りが下落する時=手前の利回り上昇がランド円に作用する瞬間 となり得る、という事です。

 

 瞬間瞬間の利回り上下はランド円相場に於いて、その直前推移が作用する事が多く、結果的には利回りが下落した時にランド円が下落するように見える事が往々にあります。

 この点を簡単に考えると、短い瞬間推移に於いて、利回りが下落した時にランド円が下落する事が多いので、そのタイミングを見計らってエントリーすると、より良いタイミングで売買が可能になりやすい、という事です。

 

 そこまでこだわらない方は、欧州市場が開く直前が、エントリーをするには良いタイミングだと思いますので、それでも十分かと思われます。

◆結論:ほぼこれだけ見ていれば、デイトレードは押さえられます…が

 これまでに書いた内容で、実用的なトレードが実施可能になると思いますが、注意点も幾つかあります。

 

ⓐ急激な相場変動(冒頭・暴落)時には、参考になりづらい

 これはTwitterなどで都度書いている内容です。ネガティブニュースなどによる暴落や、逆の場合に指標が作用しなくなるケースがあります。こういった場合にはしばらく放置が必要です。

 その時もメインに使っていると、真逆に作用する事もあります。

 

ⓑ時間帯が限定される

 上述の通り、欧州時間帯しか債券市場は動いていませんので、東京時間や米国時間後半は、それまでの反動推移になったり、東京時間で言うなら、欧州時間以後に真逆の流れになったりと、以前までの動きから激変する事が多いです。

 この指標を使ってのトレードの場合、あまり長期保持はせず、日々決済するのが良いかも知れません。

 

Ⓒ慣れるまで時間がかかる

 これが一番でしょうかね。やはりなれるのには経験が必要かな、と思います。

 日々見ていると流れが分かりやすくなってくるので、ここは実践あるのみです。あまり見過ぎるとドツボにはまりますのでご注意ください(洋傑は何度かはまりました)。

 

 いかがでしょうか。

 洋傑の今までの経験則も含めた、一番の参考指標でもある南アフリカ債利回りは、それまでのトレードを一変させる可能性も秘めていると思います。是非有効活用して頂き、勝率UPにつなげて頂ければと思います。

 (*´ω`*)