次週は先週末の「株価膠着・債券利回り下落・ドル安+円高+諸通貨高」地合いからのスタートとなります。
次週後半に迫ったG20を前に融和ムード…とは言えない雰囲気(尚且つイラン案件も出て更に混迷度合増し)の中でのトレード週となりそうです。
先の事は分かりませんが、いずれにせよ非常に不安定かつ急激な相場変動が発生する危険性を高く孕んでいます。ここのところ危険相場が続いていますが、引き続き最大限の警戒が必要であると考えます。
加えて、今週に関して言えば日を跨いでのポジション保持は危険かもしれません。こまめな利食いを行う事を推奨します。
今回は今までの分析内容をもう少しシンプルに、株価・債券・通貨インデックスの3点に絞って来週のランド円動向を見込んでいきたいと考えています。
また、リスク分析の為に金価格は記載するつもりです。
次週のイベント動向は記載するのみで、ランド円推移見込みには原則として反映させない前提で予測を進めます。
では、分析に入りたいと思います。
週間分析レポート及び先週動向をまとめた反省会は以下のリンクから。是非一度ご覧ください。
(各指標動向グラフは週間分析レポートに移していますので、お手数ですがそちらからご覧ください)
◆各指標考察と動向見込み
週末までの各指標動向は反省会にて記載していますが、今一度ここにも書いておきます。
今週の特徴としては、
①概況:初動は好悪ニュース織り交ぜで膠着気味も、中盤以降はイラン報道で相場が不安定化
②株価:膠着気味で推移も底堅い動き
③先進国債券:債券買いが強く、利回り下落で終始
④南ア債券:下落傾向強い。10年は今年最安値を更新
⑤通貨指数:ドル安・円高・諸通貨高の流れ。
⑥リスク指標:金価格急騰の流れに。金価格上昇幅はドル安とより高く、リスク上昇は顕著
⑦ランド円と南ア債券(10年)の相関:債券下落に対しランド円は上昇。相関性は普通。
…といったところではないでしょうか。
比較的動きは一方的だったのではないかと考えています。上述の通りドル安・円高・諸通貨高の傾向が週を通して継続した格好です。先々週のドル高・円膠着・諸通貨安とは打って変わって対照的な結果になっています。
クロス円は諸通貨高にも関わらず、円高が非常に進んだため結果的には下がっています。この点は先々週と同様だと言えます。
加えて、債券買いが止まらない点や株高維持・金価格異常上昇など、今後の大きな懸念となりそうな案件がずらずらと出てきた週でした。そして、通貨インデックスの動きを見ている分に売買が(円を除き)緩やかに感じます。これは個人的な警戒ですが、流動性は著しく下がっているのでは、というのが洋傑の見解です。よって今後の展開は非常に不安定になると考えています。
まずは日経先物(株価)データを見てみます。
下記は今年3月からの傾向グラフです(週間分析データ内容を一部加工)。
上記グラフは終値での推移を記載しています。
先週は日経先物データ膠着で推移しましたが、中短期下落トレンドは上抜けしていますので、現時点で意識されているラインは上述の中期下落トレンドだと推測します。
現在は上昇傾向ながらも動きは限定的です。素直に考えれば22000円に向かって上昇する、というのが可能性としては最も高いと思いますが、現状の動きを見る分に、そこまで上がらない展開の方が強く思えます。
いずれにせよ、今一度の21500円越えを目指す動きになるとは思いますが、次回で超えられない場合、株価は急落する事も考えられます。
株価単体で見た場合、次週の終値見込みは上昇30%・膠着30%・下落40%だと考えます。
…つまり、単体指標では「判別しずらい」という事です。
次に通貨インデックスの動向を見てみましょう。
株価同様に直近3カ月の円・ドルインデックスデータです。
ドルインデックスは中短期下落トレンドを下抜けただけではなく、中期上昇トレンドすら下抜けています。
こうなってくると、ドルインデックスは大きく下がる展開が出てきました。
尚、現状のドルインデックス、今回のグラフには記載できておりませんが、年単位の長期上昇トレンドすら下抜けています。明らかに大きな転換点に入ったと考えるべきだと考えます。
よって、ドルインデックスは当面下がる展開が可能性として高まってきました。一旦の目途がどこかは判別が難しい状況ながらも、長い目で見れば、90.0を目指して下がる流れになるのでは、というのが洋傑の見解です。
円インデックスは上昇一辺倒の流れとなりましたが、今後も高いすいじゅんで推移する可能性が非常に高いと考えています。
更に、中短期上昇トレンドを上抜ける流れにまで至っており、そうなった場合は円インデックスが一気に上昇して0.009500まで上昇する事も考えられます。
以上の点から、
ドルインデックスは次週終値見込みで 上昇20%・膠着30%・下落50% と推測します。
円インデックスは次週終値見込みで 上昇60%・膠着30%・下落10% と推測します。
さて、今回先進国債券利回りについてはグラフを添付していません。というのも、動きとしては下落一辺倒である為、グラフにしても然したる要点が無かった訳ですが…
現在までの動きを見る限り、債券買いが収まる気配は非常に薄く、流れは継続しそうな気配です。
よって、先進国債券利回りは次週終値見込みで 上昇20%・膠着20%・下落60% と推測します。
そして、もう一つの債券、南ア債利回り動向を見ていきましょう。通常であれば10年債のみを添付するのですが、現在10年債利回りは非常に極端な動きに変化しているので、直近で参考指標としている20年債利回りも添付しておきます。
南ア債利回りは10年・20年とも統一の見解です。即ちランドインデックスの上昇示唆です。
「この地合いで上昇?」と思われるかも知れませんが、指標の判断としては上昇するかの可能性が高いのは事実です。特に10年債利回りは大幅な下落によって、長期上昇トレンド(即ちランド下落トレンド)を割り込んでいます。
勿論、これが確実な動意を示すものではありません。ただ、繰り返しになりますが、指標動向の上ではランドは明確な上昇を示唆しています。
以上の結果より、
南ア債利回りは次週終値見込みとして 上昇30%・膠着10%・下落60% と推測します。
では、リスク指標である金価格はどうでしょうか。
金価格は先週記載した分水嶺を超えて、急上昇ラインに差し掛かっています。
その上昇幅は凄まじく、短期的かも知れませんが、未曽有の上昇を見せるかも知れません。それは同時にリスクの急上昇とドルインデックスの暴落を示唆しますが、この辺は注意深く見定める必要があります。
とはいえ、金価格が今後も上昇するのは可能性として非常に高いと考えます。
以上の点から、次週の終値見込みとして 上昇70%・膠着10%・下落20% と推測します。
これらすべての指標を総合的に鑑みた場合、最も高いと思われる動きに沿わせて計算した場合、株やや高・先進国債券利回り下落・ドル安+円高・南ア債利回り下落・金価格上昇となり、ランド円推移としては終値でほぼ始値と同様になるのでは、というのが洋傑の見解です。
②経済指標とイベントによる影響など
今週の経済指標でランド円の流れを大きく変える指標は…
①月曜日17:00…独IFO景況指数
②火曜日23:00…米消費者信頼感+新築住宅販売戸数
③水曜日 2:00…FRBパウエル議長発言
④木曜日17:00…SARB四半期報告書
⑤木曜日18:00…南アPPI
⑥木曜日21:30…米GDP
⑦金曜日15:00…南ア・マネーサプライ
⑧金曜日21:00…南ア貿易収支
…といったところでしょうか。
また、イベント関連では…
①G20開催(付随して米中貿易摩擦)
②米国のイラン制裁関連
全体的な指標では月曜日のIFO景況指数が、影響としては大きいでしょうか。主には国内指標が豊富で、こちらの影響が大きいのではないかと考えています。
また、イベントは27日よりG20が開催されます。
ポジティブ寄りのニュースが出てくる可能性がやや高いと思いますので、ヘッドラインには要警戒です。
◆週間予測及び総評
◆週間ランド円予測(動意範囲)
7.20円ー7.80円
◆週間ランド円終値予測
7.40円ー7.50円
各指標とも明確に節目を超えたものが多いものの、方向性としては各指標ごとに分かれており、ランド円の方向性としては非常に曖昧かつ不安定であると推測する。
上値がやや強い印象も受けるが、下落・上昇とも豊富なチャート推移になる可能性が高く、不安定な動きに終始すると見込んでいる。最終的には始値前後に落ち着くと考える。
※予測は洋傑個人的見解に基づくものです。参考程度にご活用ください。
今回は比較的簡潔にまとめたつもりです。ただ、まとめるにあたって時間を食ったので、結局のところ製作時間は大きく変わりませんでした。
終値見込みとしては膠着としています。
来週は動意幅も展開も急になる事が想像できるので、小まめな利食い推奨です。
また、経済動向としては破局に向かっている感じが色濃くなってきていますが、まだ破たんには時間があるように見えます。今しばらくは不安定ながらも株価の上昇はあるのでは、と推測していますね。
今週もTwitterのリアルタイム情報を活用して、できるだけ情報発信していきたいと思っていますので、Twitter・ブログともご覧いただければ幸いです。
来週が皆様にとって良いトレードになりますように。
さあ、新しいトレードが始まります!
(*'ω'*)ノシ
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