次週は先週末の「株価膠着・債券利回り下落・ドル高+円安+諸通貨安」地合いからのスタートとなります。
政治的ニュースは先週に引き続き米中貿易摩擦関連に収れんした1週間でしたが、終盤には日本と欧州に対しての関税発動延期の報道も流れたことが、次週のランド円動向を更に複雑にしています。
しかも、2週連続の政治的ニュース優越の相場展開が指標中心の洋傑のランド円動向見込みに大きな誤差を生んでいる状況もあるので、今週は書き綴り式にランド円動向を予測してみたいと思います。
そういった意味では、従来のランド円予測からボリュームダウンしますが、その辺はご了承ください。
…というより、色々分析した挙句大外れしていたので、正直分析しすぎて呑まれているように感じたので、ひとまず今週は書き綴り式でやってみて、皆さんの反応を見ていきたいと思います。
週末までにアンケートを実施します。アンケート内容としては「従来の予測方法が良いか否か」です。
是非ご協力お願いします。
では、始めましょう。
週間分析レポート及び先週動向をまとめた反省会は以下のリンクから。是非一度ご覧ください。
(各指標動向グラフは週間分析レポートに移していますので、お手数ですがそちらからご覧ください)
①各指標考察と動向見込み
週末までの各指標動向は反省会にて記載していますが、今一度ここにも書いておきます。
今週の特徴としては、
①概況:米中関連報道で下げる局面はあるも、週後半には日本+欧州関税延期で一時的な上昇も。
②株価:やや下落寄りの膠着相場。20800-22400円間で推移。週を通してやや下値が強い相場。
③先進国債券:債券買いが強く、利回り下落で終始。後半は売りも見られた。
④南ア債券:非常にアップダウンの激しい展開。ランド円も同じく上下に動いて総動意幅は狭い流れに。
⑤通貨指数:ドル高・円微安で推移。他先進国通貨や資源・新興国も安値でドル一強に。
⑥リスク指標:金はドル上昇に伴い下落。原油上昇で総合的に見るとリスクは上昇か。
⑦ランド円と南ア債券(10年)の相関:債券上昇に対しランド円は下落。相関性は高いと推測。
…といったところではないでしょうか。
上述の通り、「株価下げ寄りの膠着・債券利回り下落・ドル高+諸通貨安・リスク上昇」の内容であり、動向としてはリスク回避に動いているのは間違いありません。
ただ、その動きには各指標・各国内容に差があります。
※分析レポートを参照してください。
具体的には…
①株価:ダウ>日経>香港株 となっており、香港株価は週始値を超える展開は殆どなかった。
②通貨:ドル》避難通貨(フラン・円)>ユーロ》資源国・新興国
③債券:ほぼ全ての債券利回りが上昇なく下落一辺倒。日本債も上昇展開無し。
と、考察できると考えます。
ここで洋傑が感じたのは、以下の点です。
①株価では香港株(洋傑は上記3株価しか見ていない為)が最も弱い
金曜日の落ち幅は非常に大きいものでした。これは午前中に発表された経済指標による影響は大きいとは思いますが、夜間(米国時間)にダウや日経が伸びたのとは対照的に、香港株は殆ど上昇しませんでした。
上述の3つの中では、ランド円は最も香港株の動向に影響を受けるのでこの下げは来週の動き、特に序盤に大きく影響を与えると考えられます。
②総合的にリスク回避動向の為、ドル高・円高になりやすい傾向
上述の通り、各指標から考察する限り、現在は明らかにリスク回避に動いています。ドル高は避難通貨としての作用が強く、これは同時に円(ひいてはフラン)高も進む可能性を示唆していると言えます。
ドルが円より上昇しやすい状況だとは思いますが、ドル高・円高は結果としてランド円には下値に強く働きますので、上値が非常に重くなる展開が考えられます。
③日本債利回りが堅実に下落傾向
ランド円動向に強く作用するのは株価と南ア債利回りです。その株価動向に特に影響を与える指標が日本債利回り(10年)と、洋傑は考えています。その日本債利回りがある意味「安定して」下落している事が、ランド円の上値抑制になると考えます。
…これらの点から、ランド円は非常に上値が重く展開する事が想像できますが、さて、一番重要な指標・南ア債利回りはどうなっているでしょうか。
南ア債利回りもTwitterにも以前に記載している通り、2年と10年の乖離が進んでいます。このままならそろそろ上昇に…なるかどうか微妙になってきました。
確かに、先々週まではその傾向が非常に高かったと思いますが、ここ2週間の米中貿易戦争が相場を大きく変えてしまっています。上述の通り、日本債は下落傾向を変えていませんし、それにつられる形で株価も不穏です。何より香港株が不穏な中で南ア債利回りが下落する可能性は、やや考えにくいと言えます。
現在の中長期債動向グラフを一部加工しました。下記グラフをご覧ください。
3月末は三尊がきれいに形成されています。その後きれいに急落してランド円は上昇傾向に入ったわけですが、今回はそれとは全く逆の三尊が形成されつつあります。
まだ濃青部分は想像で記載していますが、恐らく今一度の南ア債の下落(ランド円上昇)はあると思います。重要なのはその下落値が前回安値を超えなかった場合、一気に上昇に反転する可能性が非常に高まる、という事です。
これらを加味した場合、ランド円は一度上昇する展開はあると考えますが、その後上抜けるか下抜けるかは南ア10年債が握っていると言えますので、今週は要注意となります。
また、2年債も同様に警戒が必要です。この値が急上昇した場合は、上述の展開になる可能性が非常に高まりますので、逆張りの場合の損切りも検討材料になると思います。
②経済指標とイベントによる影響など
今週の経済指標でランド円の流れを大きく変える指標は…
①火曜日 8:00…FRBパウエル議長発言
②水曜日16:30…ECBドラギ総裁発言
③木曜日 3:00…FOMC
④木曜日15:00~17:00…独GDP+独製造業PMI+独IFO景況指数
⑤木曜日22:00…南アフリカ政策金利
…といったところでしょうか。
また、イベント関連では…
①火曜日…南アフリカ新閣僚発表
②週通し…米中貿易摩擦関連
重要指標は概ね政策金利関連ですね。木曜日の独指標は結果次第で上昇・下落とも考えられますが、FRBやECB発言は利下げや景気減速に関するコメントが出る可能性が高く、いずれもリスク回避に動く可能性が高いと考えられます。
但し、FOMCやパウエル発言は一時的なドル安に動く展開も考えられ、その場合は一瞬でもランド円は上昇する流れにもなり得ます。
また、南アフリカ政策金利は据え置き予測ですが、もし利下げなどのネガティブサプライズがあった場合はランド円急落の可能性も想定する必要があります。
その他、イベントは毎度の米中関連と南アフリカ新閣僚発表です。後者はその陣容次第で上昇もあるかもしれませんが、あまり大きな動きにはならないかも知れません。関連での発言があれば影響はまた異なってくるでしょう。
重要指標やイベントの観点からみた場合、ランド円は下値がやや強いながらも、動きが不安定になりやすいと考えます。
◆週間予測及び総評
◆週間ランド円予測(動意範囲)
7.35円ー7.85円
◆週間ランド円終値予測
7.50円ー7.60円
現状の指標判断はいずれも下落を示唆する状況であり、今後の動向も同様であると想定される。また、重要指標に於いても原則としてリスク回避に動くようなものは見られない為、来週の動向も上値が非常に限られた展開になると考える。
※予測は洋傑個人的見解に基づくものです。参考程度にご活用ください。
新たな記載方法で始めましたが、いかがだったでしょうか。
個人的には所感交じりに記載できたので、意外と楽しかったですね。
やはり結果は下落になってしまいました。べたな展開です。まあこれだけ指標動向が下に向いていると、やはり致し方ない雰囲気もありますが…それだけ下値が強い傾向・動向だと思います。
最終的には南ア債10年利回りが趨勢を左右する展開になると思いますが、現在の地合いが少しでも好転すれば、この数値にも差が出てくるかもしれませんので、十分確認をお勧めします。
Twitterでも記載しましたが、やはり株価も不穏ですので、下手をすれば週明けから急落、なんて展開もあり得ます。
…なんというか、最近こういった流れが多いですから、心配性になっている感もあります。
ここらの動向については週間ランド円動向レポートで確実に抑える必要がありますので、先週に引き続きレポートは毎日アップするようにします。
来週が皆様にとって良いトレードになりますように。
さあ、新しいトレードが始まります!
(*'ω'*)ノシ