洋傑のつぶやき(ランド円の底堅さと上値の重さ)

 ここのところ、ランド円は非常に推移が限定されてきています。高値も下値も抑制されて動きが弱くなっている反面、概況の底堅さと、自国事情による弱さ(下げ圧力)とのせめぎあいの結果、動きが狭い、とも言えるかもしれません。

 ただ、今後のランド円展望として、短期的には下落基調になると洋傑は考えています。現時点における、下落と考える理由と今後の推移展望について、洋傑の見解を書きたいと思います。

◆底堅さは概況推移から・上値重さはテクニカルと南ア事情から

 昨日記事に書いた通り、今現在の概況は非常に落ち着いています。今日は祝日前で調整売りも若干出たものの、それ自体も大きな下げ基調とはなりませんでした。この点はやや見通しが外れた格好です(洋傑はもっと下がると思っていたのですが)。

 それだけ、今の概況が落ち着いている証左と言えます。

 

 今日の概況も落ち着いています。株価や債券・円推移などは若干後退しましたが、大きな流れにはなっておらず、トレンド転換もうかがえません。今のところは一旦過熱した相場の軽いクールダウンといった程度です。

 気になるショック相場も発生していません。これはまだ目立ったニュースなどが流れていない事もありますが、この手の「かも知れない論」は、期待しているときほど、来ないものです(笑)。

 

 上述の通り、株価や債券・円推移を背景にランド円が底堅く推移していると思われます。また、その若干の債券買いや円買いが、リスク指標である金にも反応して、結果的にランド高に導いている状況はあると考えています。

 

 対照的に、なかなか高値更新できないのはテクニカルの観点からの部分が大きいように感じます。これも何度か書いてきた内容ですが、今は長期の下落トレンドの上限(恐らく7.60円から7.80円程度)にタッチしており、これを打ち破るほどの好材料が無い中での上抜けは、さすがに難しいとした動きからの売り圧力が相当強いと思われます。

 正直、ここまでの上昇も洋傑、想定していませんでした。いや厳密には年内に7.86円達成を中短期展望で抱いていましたので、ある意味考えていたと言えますが、直近の考えではこれ程のペースで進むと考えていなかっただけに、やはりこれ以上のランド円上昇は難しいと考えるのが自然です。

 

 このような事情から、ランド円は今動きが出しにくい地合いになっている、と考えています。

◆先行指標判断では、近々下落基調に入る?

 先日記事に書いた通り、こちらも検証途中の指標分析に於いて、直近にてランド円の下落が起きるサインが出ています。まだその下げ幅などははっきりしない点が多いものの、最低でも7.50~7.55円辺りまで下がる可能性はかなり高いと思います。

 

 これは南アフリカ債利回り推移からも同様に読み取ることができます。ここ半月ほど南ア債利回りは下落トレンドが継続していますが、都度反転上昇する局面はありました。所謂下落ラインの上抜けですが、上抜けした後再度下値更新の流れを取り、結果的にトレンド継続、といった流れを1週間程繰り返しています。この流れも今までの経験からみて非常に稀な例に思えます。

 こういったトレンドの引き延ばし(洋傑はそう捉えています)は、トレンドがゆっくりと反転するときに多い現象です。この動きをした時、相場は往々にして「お椀型」を形成する事が多いです。同時にそれは大きな「トレンド転換」を示す流れになりやすく、そうなった場合には比較的長いトレンドを形成する事になるケースが多いのが特徴です。

 

 これはランド円相場自体で起きた内容ですが、夏場の下落相場に於いて、その終期はチャートがお椀型に形成されました。再度の下値更新後、ランド円は一気に上昇して今の相場の流れを形成した訳ですが、同様の動きが南ア債で発生しています。

 よって、まだその規模は不明瞭ですが、ランド円は中短期の下落トレンドに入る可能性が高いと見ています。

◆今後の展望:歳末から年始にかけて下落に入る可能性大

 その下落トレンドへの転換と下げ幅について、現時点の見解を書きます。

◆下落基調への転換時期:歳末~年始

◆下げ幅:高くて7.40~7.50円・低くて7.00~7.20円

 

 時期については上述の通りですので、その点は割愛しますが、下げ幅については一定規模になりそうです。思ったよりも下げ幅は大きくなるかもしれません。

 いずれにせよ、現時点での買い戦術は危険であると見ています。売り時期はまだ先かもしれませんが、概況が弱まれば一気に下がる展開も考えられます。今は静観ないし耐える時期ではないか、と洋傑個人は考えます。

 

※ここから少し徒然話を…

 相場の変わり目って、ホントに「今買い(ないし売り)は、無いだろう」という時期こそ、相場に於ける最大のチャンスだったりすることが多いように感じます。勇気の必要な局面かも知れませんが、洋傑はこの時期にこそ、売りを仕掛けていきたいと思っています。

(>_<)