洋傑のつぶやき(来週のランド円推移展望)

 ここ数日間で、ランド円は更に高値を更新して7.82円にまで達しています。

 概況は変わらず強気相場であった中、南ア債券市場の止まっていたクリスマス前後はまだ、長期・中期スパンのフィボナッチ・リトレイスメントの整合性(両方のフィボナッチが61.8と38.2で丁度良い値が7.73~7.75円前後であった為)から抑制されていた高値が、南ア債券買いが強まった事を受けて、一気に上抜けした事が大きかったと思われます。

 

 この点は先日の債券市場が買い優勢で始まった時点でアップした記事内にて言及しています。詳細は↓

◆12月27日記事(ランド円の高値目処についての見解)

 

 結果として堅い7.75円ラインを上抜けて最高値7.82円を記録した後、週末クローズ時は7.8円となっています。

 洋傑はこの後の推移として、上記記事内に於いて7.9円を高値天井として捉えていますが、同時にその後のブログ記事にて、ランド円下落のサインが出た事について言及しています。

◆12月27日記事(今日の南アフリカ債利回り推移について)

 

 ですので、今現在の状況は「上昇する地合いでありつつ、下落サインが出ている可能性が高い」という、非常にリスキーな局面であると言えます。

 これらを踏まえて、来週のランド円展望を書き綴りたいと思います。尚、大まかな流れについては今までの記事にて記載している部分が多いので、来週推移については考えられるケースと、洋傑の個人的警戒ポイントなどを中心に書きます。

◆洋傑の推移展望レンジ:7.30円ー7.90円と広めです

 

 まず来週の予想レンジですが、洋傑は上述の通り7.90円を高値ピークとして捉えています。また、下値については、仮にランド円相場が反転下落に切り替わった場合の「最も下がった場合」に合わせて設定しています。

 高値はともかく、下値についてはまだ「かも知れない」程度の推定値です。来週内にこのような大規模な下落が発生するかどうかは、まだはっきりしない部分が多いです。その点については後ほど下述します。

 

 高値については、先日のブログ記事に書いた通り、長期・中期スパンでのフィボナッチ・リトレイスメントでの一致点が7.9円前後である点や、長期下落ラインの上限端が7.9円前後である点を踏まえて設定した値域です。

 まだ南アフリカ債利回りは(一時的な急上昇は20年債にて発生しましたが)下落トレンドからの転換は見られません。2年債利回りについては急上昇してクローズしていますが、これも単日での推移であり、まだ直ぐ(年内)に下落に結びつく可能性は高くないと見ています。

 

 勿論、ネガティブニュースが入れば例外です。ただ、昨年のアップルショック(1月3日)のようなフラッシュクラッシュ懸念が一定存在する状況下、だからこそ大きな値崩れはしずらいのでは、と洋傑は一定考えています。

 ですがこれは「かも知れない論」。洋傑の不得手な分野なので、この点は今回除外して考えます。

 

 諸指標推移でみた場合、概況は未だに大きな懸念材料が見られません。また、先行指標である債券利回りは、まだ目立った下落には至っておらず、仮に一時的なフラッシュクラッシュが訪れても、あくまで一時的であり、まだ本格的なトレンド転換に至る可能性は低いです。

 ですが、あくまで「一時的な値崩れ」は起きても不思議はありません。そういった瞬間推移までは債券推移で推し量る事は非常に難しく、年末年始の閑散相場であれば、無いとは言い切れません。

 

 これらを総合的にまとめると、概況は大きな懸念材料は少ないものの、年末年始の閑散相場で瞬間的な値崩れが発生する可能性まで払しょくできるほどの地合いではないですが、トレンド転換に至るほどの規模にはならない、といったところでしょうか。

 では、最も重要な(というかほぼその一点に収れんされますが)南アフリカ債動向はどうでしょう。

◆ランド円推移に於ける注意点・警戒店など

  

 次に南アフリカ債利回りですが、こちらは昨営業日に急激な上昇が2年債で、一時的な上昇が20年債で発生しています。この推移が本格的な動きに繋がるかどうかはまだ不明瞭ですが、20年に関しては10年以上の先行指標である点から、今後の推移において影響が出る可能性は十分あり得ます

 その動きがいつ出るか、明日なのか、明後日なのかは、今後ランド円の急落を想定している洋傑は2年債利回り次第であると考えています。

 

 2年債利回りについては、通常の指標としての使い方は中短期スパンでの先行指標であり、普段であればこの推移が「緩やかに表れて」後に中期債である10年が同様の動きを示してからトレンド転換するケースが多いですが、過去のデータを見る分にも、急激な相場を形成する場合は、やや異なった動きをすることがあります。

 その推移とは「2年債が急激な動きを数日(2~4日程度)続けた場合」です。この動きを示した場合、従来の反転に至るまでの期間(約2週間弱~1カ月)より、遥かに短い期間で動きが出ることがありました。

 

 これは洋傑の個人的な見方ですが、上記のような推移になった場合、ランド円は一気に下がる展開も出てきます。これは前項で書いた「かも知れない論」とは異なり、指標推移として顔を出した場合、高い確率で発生しうる事象であると考えます。

 

 一番最初に書きましたが、今現在の指標推移(南ア債)を見る限り、まだ明日の段階で流れが変わる可能性は低く、ランド円は上昇する可能性の方が現時点では高いです。

 ただし、仮にランド円が上昇したとしても、2年債利回りには要警戒です。先ほど述べた通り、明日も急激な(0.050以上)の2年債利回り上昇が継続した場合、数日内に相場が急変する可能性が高いです。久しぶりに2年債利回りが重要指標の中心に回ってきていますので、この点は重々用心してください。

 

 また、動向のメインはあくまで10年債利回りですので、この初動推移にも、引き続き警戒が必要です。先週末に10年債の先行指標である20年で急激な上昇が発生しているので、もしかしたら明日、それが顔を出す展開もあるかも知れませんので。

 

 週を通して、南ア債券動向は注視した方がよさそうです。

◆まとめと週始めの東京市場は…

 

 概況に関しては、来週序盤(歳末)は大きな急変が無ければ、下落よりは上昇する可能性が高いです。値崩れなどの懸念があるとすればそれは年始になると思いますが、それも「かも知れない論」であり、確率で測れるものではないので、あくまで可能性の一つ程度で見ておくのが自然です。

 南ア債動向は既に危険な動きが出始めているものの、それも単日推移に留まっており、まだもう少し動きを見ないと分かりませんが、現時点ではまだ上昇が継続する可能性がやや高いです。明日の欧州時間の債券動向に注目、といったところです。

 

 最後に明日の東京時間のランド円推移展望について、明日は大納会もありますし、この時間に大きな値崩れは無いと思います。少なくとも東京市場序盤は上昇傾向で手堅い、と洋傑は考えています。

 

 さあ、今年最後で来年最初の戦いが始まります。

 (*´ω`*)