洋傑のつぶやき(一週間を終えて…)

◆株安・円安の一週間…債券買いも進む中、資金は資源国・新興国へ

 

 今週一週間は基本的に株価下落優勢で推移しました。初動は下落スタート、その後に再び23800円まで値戻し、再度下落と、一週間を通してみれば23400円~23500円を基準として上下した格好となりましたが、比較的下落が優勢な期間が長かったような印象を持っています。

 株価の上下には経済指標も大きく影響を与えましたが、高値・安値とも直近の変動に於ける抵抗ラインでの反転となっており、今後の推移は幾つかのパターンが考えられ、非常に不明瞭です。

 

 株価推移に合わせて各諸指標も変動が大きかった週でした。特に大きかったのは指数(通貨インデックス)だと思います。

 その通貨インデックスの中でも円が今週は相場支配的な印象を受けました。というのも、前週から始まっていた傾向ですが、今までの円であればリスクが上昇すれば円高。下がれば円安と、避難通貨として機能していましたが、前週以上に今週はその機能が薄れた印象です。

 具体的には避難通貨として全く機能していないという事ではなく、リスク上昇時に上がる度合いが弱くなっている、という事です。これはドルの推移を見れば明らかで、恐らくはドルに避難通貨・リスクオン通貨の機能が「集中」して為であると考えています。

 その証拠として、週末の米国指標の悪い結果をうけてドル安となった時点で、ドル以外の通貨インデックスが急騰しました。しかしながら円はその上昇幅は他通貨に比べて非常に弱く、やはり同じ避難通貨であるユーロやスイスフランと比べると弱い印象はぬぐえません。

 

 債券動向は買い優勢です。日本・米国・ドイツ債とも利回りは顕著な右肩下がりで推移してクローズしています。週を通して顕在リスクは上昇していることが伺えます。特に米国債利回りは直近で最も低かった2018年8月水準に並んでいます。昨年末から米国債利回りの下落は続いており、上述の直近安値を明確に割り込んだタイミングは、株価にも大きな影響を与える可能性が高いだけに、来週は警戒が従来以上に必要であると見ています。

 

 リスク指標は債券動向以上に顕著な上昇度合です。金価格は過去最高を記録した2011年の水準に近付きつつあります。

 潜在的なリスクも、顕在リスクも上昇していると洋傑は考えており、概況は非常に危険性の高い状況であると考えます。

 

 南アフリカ債利回りは週を通して下落傾向となっています。洋傑の考えていたラインよりは高く、かつペースとしては遅い展開となりました。ただ、見通し通り、2018年夏から始まる上昇トレンドラインの下限付近で週末はクローズしています。

 この下値抵抗帯(20年債利回りで9.900~10.000)を下回るか・反発するかが来週の見どころになりそうです。来週はこの一点を注目すればよいと個人的には考えています。

 

 総合的な部分としては、リスクは潜在・顕在部分とも上昇している事が債券や金価格で伺えますが、資金動向は「そうとも言えない」推移になっています。というのも、上述の米国指標に伴うドル安の資金移動先に於いて、資源国や新興国通貨への移動が目立ったからです。通常株安となればその資金移動先は先進国通貨となるケースが多いです。事実、ユーロやフランも同様に急騰していますが、それよりも高い上昇幅を示している点が、単純なリスクオフとは思えない理由です。

 

 各国債券利回りは軒並み下落となっています。よって、どの国も通貨インデックスは通常下がるはずですが、実際には上昇しています。この動きが通貨下落前の一時的な上昇か、逆に債券が連動するのか、しっかりと見定める必要があります。

◆週間展望の振り返りと、日別展望の反省点など

 

 株価のレンジはやや上振れしています。また通貨指数はドル高・円高で見込んでいましたが、週始めの数値から比べるとドル高・円安となっており、こちらもやや見込みを外しています。債券動向は見込み通り、下抜けブレイクとなりました。

 エリオット波動は当初考えていた、上向きのトライアングル修正の形でクローズしており、まだ推移の見極めができているとは言い切れませんが、上振れ想定ケースに当てはまっている状況でです。

 

 週間展望としてはレンジ内に収まっているものの、想像よりは上向きです。但し、週間推移は当初見込んでいた下落→上昇の見通し自体は当たっています。

 

 日別展望は週始めは概ね想定内、後半は下落予測と書いた内容に対して上昇で外しています。この辺は日別展望より週間展望の(より厳密に言えば検証中指標分析法)見込みがより正確であったという事になりそうです。