洋傑のつぶやき(一週間を終えて…)

◆株価暴落・債券異常買い・円高一強のリスクオフ相場

 

 今週は株価暴落の一週間でした。既にこれまでの下落劇によって日経は23200円から最大で20500円割れ、ダウも28500ドルから最大24700ドルまで下落しており、一週間通して一貫した下落劇となっています。

 

 株価は初動で大きく値を下げました。その後数度のショートカバーが発生しつつも再び値を下げる展開が続きました。これがここ数カ月に発生した急落相場と大きく異なる点です。それがほぼ一週間毎日発生していた点もこれまでとは異質な推移です。「あー、これが暴落か」と、体感的に感じた次第です。

 ただ、週末クローズ前に株価は急伸しました。これはFRBの緊急利下げ示唆(一部機関からの発信?)からのようであり、これによって日経先物は約800円程上昇しています。…もう急落相場で値動きが激しいので、800円でも”ちょっと上がった”程度にしか思えないのが不思議なものです(笑)。

 

 指数は円・フラン・ユーロが急伸しており、その中でも円は異常な上昇となっています。先々週の以上円安は何だったんでしょう。世界的にコロナウイルスが拡大した事で再び円の価値が戻った流れになった可能性もありますね。いずれにせよ、円高が異常に進み、クロス円は各通貨ペアとも急落しています。

 避難通貨としての側面が強いフランはともかく、ユーロ高は米国株が株安の中心になってしまっている側面上、ドル安からの資金移動が主な原因であると思っています。その他通貨(資源国・新興国)は軟調であり、資金移動の側面から見ても避難通貨(一部先進国通貨)買い・資源+新興国通貨売りのリスクオフ相場と言えます。

 

 債券動向は、株価暴落によってあまり話題になりませんが、株価以上に異常な買いが続いています。こちらも株価同様に週末にかけてその買いがどんどん進む流れになり、米国債は過去最低水準まで利回りが下落しています。因みに洋傑が定期観測している日本債利回りも▲0.060から▲0.150へ、ドイツ債利回りも▲0.450から▲0.600へ、いずれも異常な下落をしています。

 債券利回りの異常下落も、この株価暴落劇がまだ続く可能性を示唆する、一定の根拠になり得るだけに、来週にも大きな懸念が残りそうです。

 

 リスク指標である金価格は、週を通して下落傾向です。これは少々意外な結果と言えます。本来リスク指標である金価格はこういう時期に上昇するケースが多いですが、一方で顕在リスクがピークを迎えた時期に下がる事もある為、今回の株価暴落のリスクオフも、案外終息が近いかもしれません。少なくとも金推移ではそのような示唆が伺えます。

 

 南アフリカ債利回りは週間推移は不安定推移でしたが、終盤に異常上昇しました。その上昇幅は機関売りと疑うほどの上昇規模でしたが、今までのどの利回り上昇とも動きが異なるように感じました(あくまで個人的な印象です)。

 ともあれ、日々相当のアップダウンが続いていますので、利回り推移も今後上抜け・下抜けの両思惑が売買攻防する展開がまだ続くかもしれません。今週は上抜けで終わりましたが、まだ暫く見定めが必要な時期だと思います。

◆週間推移から今後の見通し推測:ポジティブニュース入りやすいが、上昇は…

 

 今日のFRBの利下げ示唆報道による株価急騰のように、ここ一週間での株価暴落劇をみて国家機関の対応措置が講じられる雰囲気が強まっていますので、今後はポジティブニュースも入りやすい状況になっていると思われますが、それらを全く織り込まない相場ではないと洋傑は考えています。その上で顕在リスク指標である(と、洋傑が考えている)債券買いがこれまでにあまり見られないペースで進んでいる点からは、そう簡単に株価持ち直しになるかどうかは不明瞭です。

 

 勿論上昇を示唆する指標として金価格があります。こちらは下落を始めていますが、なにぶんまだその動きが出て一週間程度であり、これが顕在化するにはまだ時間がかかるかも知れませんので、来週にそれが現れるかどうかは微妙です。そういった意味では次週もまだリスクオフが続く可能性の方が、高いように感じます。

 

 また、今晩に安倍総理が緊急会見を開くそうなので、その動きにも注意が必要であると考えます。

◆週間展望の振り返りと、洋傑のランド円トレード報告

 

 週間展望のレンジについて、洋傑は以下の内容でアップしていました。以下週間展望記事内容です。

◆ランド円レンジ:7.00円ー7.53円

◆ランド円の方向性:週を通して5波動構成の下落局面。

 

 まず、諸指標推移については債券利回りやリスク指標が現時点までで相当の利回り下がり・値上がりとなっており、高いリスクオフ相場になっている点から、株価は非常に上値が重く、相場展開としては下落傾向になる可能性が高い。また、リスク上昇・株安になれば円高は必然的に進み、再びの円高が進む展開を推測する。

 資金流動についても同様で、基本的にリスクオフによる先進国通貨買い・資源+新興国通貨売りの状況は強まってくると考えるが、ドル高推移についてはまだ続く見通し推測。

 

南アフリカ債利回り推移については、中期上昇トレンドの下限が迫っている点、そのラインを下抜けするほどの材料が無い点などからの反発展開が可能性としては最も高く、ランド円売りが強まる地合いを形成する可能性大。

 

 エリオット波動では3-4波動途上か終了しているかのどちらかが可能性としては高く、その仮定で推測するなら今後のランド円は基本的に下落傾向であり、下値は7.00円~7.25円までと広範ながらも現時点からは値下がりする展開が高いと考える。

 検証中指標分析法でも5波動構成の衝撃波展開が示唆されており、その特性上下値は伸びると考える。

 

 ランド円はドル高・円高推移に押されて下値押し、南アフリカ債利回りに押されて下値押しのダブルパンチとなる可能性が高く東京時間~米国時間まで強く下落する日も出てくる可能性大。但し週初動~欧州市場は検証中指標分析法でも出ている流れ(5波動衝撃)から一度の大きな上値戻しはあると見ており、下落が本格化するのは週中盤以降であるケースも考えられる。

 

 以上

 

 まずレンジは下抜けしてます。…まあこれ程の株価暴落劇は想定していませんでした。ただ方向性としては概ね良かったと考えています。

 株価は下落傾向で考えていましたが想定以上の下落、円高も同様です。ドルに関しては米国株安が顕著であったが故に完全に外しています。資金移動内容はリスクオフで展望通りです。レンジとしては下抜けしましたが、検証中指標分析法に依る推移展望が正しかった結果となっています。

 

 洋傑のトレード状況ですが、ランド円に関しては相当の損切と利食いが発生しています。本ブログの趣旨は諸指標推移を基軸としたランド円展望を書く内容ですので、あまり具体的には書きませんが、損切り4万・利食い5万程度でトータルでプラスとなっています。ヤタ

 5万程度の資金でトレードしている中ですので、フルレバ取引のリスキートレードですが、慎重に仕掛けた大勝負は勝ち、不用意に仕掛けたトレードは負けています。今後はこの反省を生かして、プラス幅を広げたいですね。