洋傑のつぶやき(今回の上昇劇は一時的?トレンド?)

◆概況推移:債券売りが進む中起きた、コロナ関連報道

 

 今日の東京市場は初動でじり安展開になったものの、昨日安値6.274円の下値更新までは届かず、その後暫くは6.32円前後の攻防が続いた後、突如として上昇を始めました。きっかけはカナダの医薬品会社が新型コロナウイルスに効果が期待できる治療薬を見つけ、週末テストをする報道が流れたからみたいですが、その報道を契機としてクロス円は軒並み急上昇となっています。ランド円も同様に6.5円まで上がった後、現在は6.45円前後の推移です。

 

 報道内容単体に然程の意味は無いように考えます。何かきっかけがあれば上昇する地合いであった、というのが洋傑の見解です。事実として米国・日本債利回りは上昇を朝から続けていましたし、日本債利回りに至っては一時プラ転まで至っていました(これは日銀の2000億買いで下落していますが)。株価の推移とは裏腹に、顕在リスクはしっかりと後退傾向だったと言えます。それがこの報道によって顔を出した、結果論から言えばそういう事ではないかとみています。

 

 あくまで一時的な報道ですが、これによって流れが変わる可能性が出てきています。

 まず、債券利回りは米国債10年が大きく上昇傾向になっています。当面の上値抵抗は0.900でしょうが、これは越えてくると見ています。利回りが1%台に回復したら、更に上昇は顕著になる可能性が高いです。

 そして円インデックスも節目に当たっています。下値抵抗の0.009400を割り込んだ場合、債券動向のラインより更に顕著な円売りが起きると見てます。そうなれば相場は一気にリスクオンへシフトし、大きく値戻しする展開が見えてきます。

 

 現時点でそこまで考えるのは、やや飛躍し過ぎていますが、今後の欧州市場は諸指標推移から見ても一方的なリスクオフにはならないと見ています。

◆テクニカル分析:上値目処は…6.9円?

 

 朝記事にも書いた通り、ランド円が下押しする可能性としては、6.15円まで可能性がありました。ですが、結果的には昨日安値6.274円までも下がらず、ランド円は再度反発しました。洋傑は今の上昇がジグザグ修正であると考えていますので、今後想定される値も大きなものであると推測しています。

 朝記事にも書いた通り、ジグザグ修正であると考える、その根拠としては…

①6.015円から6.678円までの上昇波動が5波動になっていた

②6.678円からの下落が直近上昇波動のF61.8近似値で反発した

 などを根拠としています。もしそうだった場合には、再度の6.678円以上の高値更新があるはずです。

 

 ではその上昇目処はどうなるでしょうか。

 既に昨晩ランド円は大きな上昇をしています。結果的には大きく値下がりしたので行って来い状態ですが、ここまでの流れ(6.274円から始まるジグザグ修正c波のみ)は…

ⓐ6.274円→6.580円(0.306円)

ⓑ6.580円→6.303円(0.277円)

 となっています。

 

 ジグザグ修正c波は5波動構成となりますので、4波動終点が1波動終点と重複しない事が前提となります。そうなった場合、詳細は省きますが、ランド円のc波3波動目は6.9円前後まで上昇する必要が出てきます

 

 繰り返しになりますが、顕在リスク指標である債券利回り推移は明らかに上昇傾向です。加えて出てきたポジティブニュースにジグザグと推測される現在のc波の特性上な理由など、上昇を示唆するサインは幾つかあります。そして何より、検証中指標分析法の見解でもまだ上昇と上のはずです。

 欧州市場は基本的に上昇を見込んでいます。債券が悪い方向に傾かなれば相場は上向きになると見ています。

 

 警戒指標は米国債利回り(10年)と、円インデックスとなります。