洋傑のつぶやき(ギリギリの所で)

◆南アフリカ債利回りの異常上昇で急落も、前回下値6.274円手前で留まる…

 

 欧州時間が始まって暫く後に南アフリカ債利回りは異常上昇しました。今までも同様の上昇はあったのですが、今日ほどの上昇幅は無かったように感じます。その上昇幅1.000に至っています。約10%程度の異常上昇です。

 これを受けてランド円は下押しが非常に強くなりました。概況は米国債利回りによってドルインデックスが急上昇しましたが、その他の通貨インデックスは総じて下落するという、今までにない推移となっています。これは円も例外ではなく、円安・諸通貨安・ドル異常高・南アフリカ債利回り異常上昇でランド円もここ数日来で最も下押しして6.276円まで下落しました。

 

 しかし6.276円で留まりました。この点は非常に大きいと思います。

 それは以前の記事でも何度か書いた内容ですが、エリオット波動に於ける洋傑の見解であるジグザグ修正波動は、この6.274円を割り込むと破綻する事になるのですが、その手前で反発しました。しかもこの南アフリカ債利回り異常上昇の中で、です。

 

 この事により(少なくとも)洋傑推測のジグザグ修正は、相場展開に於いて強く意識されていることが証明されたと言えます。まだ諸指標推移は非常に不穏でありますが、ここで反発した事で一気に上昇に舵を切る可能性高まっていると考えています。仮にそれが南アフリカ債利回り異常上昇の現状においてもです。

 

 本記事は今まで書いたジグザグ修正について、なぜ6.274円を割り込むと破綻するのか?これは今までの波動推移によるものです。まずジグザグ修正とは大きな推進波が発生した後に起きる調整波動の一種で、前回の推進波を大きく値戻しする波動になります。およそフィボナッチ・リトレイスメントで換算すると50.0~78.6が目安です。

 その波動は5波動ー3波動ー5波動構成となっています。そして今の段階で6.274円を割り込むと、波動の構成上、最初の5波動が崩れてしまいます。よって、6.274円は現状の推移に於いて大きな抵抗ラインとして意識されやすいのです。

 

 これほど意識されるのはジグザグ修正ならではの特徴である初動の5波動が大きいです。通常ランド円チャートに於いては波動がはっきり表れることが稀です。ですが今回はかなりはっきりと5波動が確認できます。この事が「ジグザグ修正」を強く意識させることになった要素と考えています。

 

 通常、大きな推進波の調整波動は①ジグザグ修正 ②フラット修正 ③トライアングル修正 のパターンとなりますが、初動が5波動なのは①だけです。これによって選択肢は一つとなり、以後の推移についても3波動のb波、5波動のc波となる事が容易に想像できます。事実b波までは順調に推移しました。

 しかしここで概況が反対に推移する自体が続出しました。昨晩の株安が良い例です。これによってランド円は上昇の好機を逃してしまい、今日の下落を招いたと言えます。ですが結果として6.274円を割る事無く反発しました。この事によって諸指標推移をテクニカル(エリオット波動)が優越した事は、今後の推移に大きなプラス材料です。

 

 ここからは一気に上昇する展開すらあり得ます。勿論まだ南アフリカ債利回りは不穏です。しかもこれ程の上昇ですので、今晩中にこれが一気にマイナスになる事はないでしょう。ですが、テクニカル優越を意識付けた上記の内容によって、「些細なプラス材料」で上昇する事もあり得る状況になった、と洋傑は個人的に強く感じています。

 

 幸いな事に、先進国債利回りは引き続き上昇顕著です。一時的な下落はありましたが、今は再度上昇傾向にあり、この流れは米国市場でも続くと見ています。また円インデックスは反転下落に至っていますので、これらを合わせれば、今後南ア債利回り推移が上昇でもランド円は上昇すると考えます。


ランド円関連コラム

  • ランド円に関して有効性の高い指標や基本傾向について記載しています。
  • 洋傑のトレード命綱「南ア債利回り」についての概要です。

◆夜半以降の推移展望について

   

 さて、先ほど書いた記事に於いて、エリオット波動に於けるジグザグ修正が強く意識されたチャート推移になった事は書きましたが、南アフリカ債利回りもその後急速に下落しています。どうやら諸指標推移もエリオット波動(ジグザグ修正)に沿った流れに舵を切りつつあるようです。

 しかし、今後の推移については概況によって上昇幅が変わってくるでしょう。その辺について、現状の諸指標推移から推測していきたいと思います。

 

 ひとまず株価と南アフリカ債利回りは現状推移では当てにできませんので除外します。

 通貨インデックスについては、ドル高・諸通貨安の状況は変わっていません。それならランド円は円安からすんなり上昇…するかどうかはまだ不明瞭です。というのも、今日の推移に於いてドルの上昇幅は円安を優越している局面が多いほどの規模となっており、推移次第ではむしろランド円は下落する事すらあり得ます。

 その動きについては、ドル・円ともW字ないしM字の急上昇形状が表れているように感じますので、今後の推移を考えると、一定規模の円安・ドル高になる気配が強いです。しかし、これによるランド円のバランスは通貨インデックス単体では判別がつかないのが実情です。

 

 では債券利回りはどうでしょうか。米国債利回りはまだ暫くは下落する可能性が高そうです。但し、今日に限って言えば米国債利回りの下落は円高には直結していません。むしろドルインデックスの上下のみに特化した指標になっている気配すらありますので、この流れから言えばドルはやや上昇が緩やかになる可能性があります。

 その他の債券利回り(ドイツ・日本)は大きな下落は見られませんので、概況としてのリスク上昇はあまりないように感じます。勿論絶対ではありませんが、ネガティブニュースが入らない以上は大きな変動は無いと見ています。

 

 リスク指標たる金価格も下落傾向です。

 これらを総合的に考えた場合、一定のアップダウン(これはドルと円の推移による変動?)を伴いながらも、ランド円は上昇する可能性が最も高いと考えます。

 

 また、テクニカルの観点から言えば、直近の下落幅から考えて6.38円~6.44円までの値戻しにはなると見ています。少なくとも今晩は6.4円までの上昇、もしくは行って来い相場で6.5円までの上昇を考えます。

 仮に下落したとしても先ほどの下値6.276円を割る流れになる可能性は非常に低いと推測します。