週明けオープン直後は先週の中国PMIの結果などが響いたのか、株価も大幅安でスタートとなりました。円高も同時に進行しましたが、株価が安定し始めると今度は一気に円安が進み、相場は完全な行って来いとなっています。これ程短期に上昇と下落が交錯する相場展開はスリル満点といった感じで、トレードには大きく明暗分かれそうな雰囲気です。
株価上昇と円安が優勢な状況ですが、一方で米国債を中心に依然として買いが優勢であり、先週終値を回復することなく、基本的には下落傾向が続ています。この点は欧州時間に一定の影響を及ぼしそうな雰囲気を残しています。
また、相場自体は上向きましたが、円インデックスは先週終値とほとんど変わらない位置で推移しています。この点も先ほど記載した米国債利回り同様に警戒が必要な部分であると言えます。
加えて、これから南アフリカ債券市場が開きます。概況は上向き加減ですが、先週の中国PMIの影響が出てくる可能性もあり、今後の推移に注意が必要であると考えます。
さて、今日のランド円推移について展望を書いていきたいと思いますが、まず最初に結論から書くと「直近高値6.45円をピークとして下落傾向」であると考えています。
では、各指標推移などを踏まえて書いていきたいと思います。
※週間展望についてはこちら。
※週間展望に於ける、エリオット波動観点の推移展望はこちら。
※週間展望に於ける、検証中指標分析法観点の推移展望はこちら。
※本記事内容は洋傑の個人的な見解に基づく展望を書いております。あくまで個人的見解であり、明確な先行きを示唆する内容では無い点をご理解の上、ご覧ください。
◆諸指標+南アフリカ債利回り推移考察
※諸指標推移・考察は書き綴り式で記載します。
まず株価(日経先物)については東京市場から買い優勢で推移しています。初動こそ先週末のネガティブ要素から売りが支配的でしたが、その後は買いが入って完全な行って来い相場となり、株価は最大で21500円まで持ち直しました。今は21300円前後と、先週クローズ時点の値で推移していますが、未だに上値をうかがう気配すらあります。
日経先物は今日付けた高値21600円を越えてくるかどうかにかかっていると思いますが、そのラインから上は相当の上値抵抗もあると思われます。何より最高値から直近安値までのフィボナッチ61.8が21600円ー21700円にありますので、一旦の高値目処として意識されやすく、それを越える展開は今日明日ではないと考えています。
指数について、円は依然として高値維持ですが、諸通貨も同様に上昇しています。低水準なのはドル位となっており、概況はリスク選好ムードがやや優勢と言えます。
今後の推移はやはり円次第でしょう。今日付けた高値も勿論ですが、再び0.009300を越えてくるか、0.009200を割ってくるかの見極めも重要です。流れ次第では一気にリスクオンにもオフにもなり得る相場だけに危険ですが、洋傑は先週末からの様々なニュースを見る限り、過度な円安(0.009200以下)には向かないと考えています。
債券動向は米国債・日本債で流れが分かれています。日本債利回りは先週末より上昇しており、米国債は下落しています。どちらの傾向を信じるかにもよってきますが、今からの推移で考えると後者(米国債)ではないかと考えています。またもうすぐ欧州市場も開くため、ドイツ債の傾向にも警戒が必要です。
南アフリカ債利回りは、昨日一気に上昇したにもかかわらず、今日初動は下落しています。しかも大幅下落です。通常の流れでいけばランド円上昇に傾く推移ですが、まだ開場後まもなく、今しばらくの見極めが必要なタイミングです。
今日明日の推移で言えば、下落しても不思議はない状況です。
◆エリオット波動+検証中指標分析法の観点からの考察
①検証中指標分析法の観点考察
今日は上昇と下落の両サインが出ています。相当のアップダウンがある示唆ですが、今現在の上昇がまだ終わったかどうかは不明瞭です。下落となっても期間は数時間程度と見ています。
(この分析法自体が確立されている訳ではありませんので、あくまで一見解程度にご覧ください)
②エリオット波動の観点考察
今日は上昇と下落が織り交ざった推移展開ですが、先週末クローズ時点までの上昇幅、今日の急落幅、そしてその後の上昇幅は以下の通りになっています。
ⓐ6.820円→6.934円(0.114円)
ⓑ6.934円→6.760円(0.174円)
Ⓒ6.760円→6.944円(0.184円)
ここで注目するのはⒸ/ⓐのフィボナッチが1.614であるという事です。チャート波形を見る限り拡大フラット調整の可能性があります。拡大フラット調整はabcの調整波ですが、その波長の相関性は
※a波:1 b波:1.238~1.382 c波:1.618(稀に2.618)
となる傾向があります。このacに合致する波長比になっています。b波については1.714となっていますが、これはオープン初動の下窓による下値幅であり、ややイレギュラーな展開として洋傑は許容しています。仮にCが2.618となった場合のランド円最大値は7.058円となります。今日明日の高値目処は最大で左記数値程度であると考えています。
但し、まだ下落して下値を伸ばす余地はあります。というのも、先日記載した下値目処のフィボナッチに於いて、6.78円を当面の目処としていましたが、その値を(オープンによる部分はありますが)下抜けしています。この現象から洋傑は今一度の下値更新はある、と考えています。
もしそうなった場合の下落目処は6.63円~6.65円程度となります。
◆今日明日ランド円展望:6.60円~7.10円/上昇の余地あれども下落予測
上記の分析を踏まえ、次週に於ける洋傑のランド円展望を以下のように考えます。
◆ランド円レンジ:6.63円ー7.06円
◆ランド円の方向性:上昇スタートの可能性はあるが最終的には下落方向
まず、諸指標推移については株高で動いているが、依然として債券利回りが低水準である点や、円が一定水準で維持されている点などから、不安定な推移が予測される。欧州市場初動は買い優勢になる可能性も十分あるが、最終的には米国債利回りが上昇(目安としては先週末クローズ値1.227)に向かない以上はこれ以上のリスクオンも発生しずらいと考える。
エリオット波動では3-5波動目途上であると見ており、現在が(3-)5-3波動目なのか5-4波動目なのかは微妙な部分ではあるが、今一度の下げはあると考える。その下げ幅は直近の下落に於いて6.78円を抜けている点から、6.65円前後まで下げる波動であると推測する。
ただし、現状の上昇波動も最大で7.06円まで上昇する事はあり得る為、まだすぐ下がるかは微妙。
ランド円はリスクオンムードが一定存在する中、ドル安も相まって上昇しやすい地合いにあるものの、まだ本格的な上昇時期ではないと考えている為、基本的には明日のクローズ時点で現状値(6.92円)を下回っていると推測する。