洋傑のつぶやき(概況推移考察・それに基づく次週の概況推移展望)

◆株価・通貨は先週動向の揺り戻し・債券利回りの下落転換…

 

◆ランド円全体推移

 今週一週間はランド円にとって行ってこいの一週間となりました。初動は株価急落スタート(最早これも恒例行事となっていますが…)となって初動下げる局面もあったものの、間もなく持ち直して上昇を始めました。しかし、週半ばに6.477円を付けた後は急速に値を戻して6.3円・6.2円・6.1円と日ごと下押しする展開を続けました。結局は3月23日につけた安値6.156円すら割り込んで現在は6.1円、そして過去最安値6.015円を目指す推移となっています。

 

 洋傑は週間展望に於いて5.70円~6.95円のレンジで展望を考えていたのでそのレンジには(かなり広いので当たり前ですが)収まっています。前半・中盤・後半ともレンジ内には収まっていますが、個人的には下落→上昇という流れを考えていたのに対して、実際は上昇→下落となった事は想定外です。

 

 

◆株価(日経先物・ダウ先物)

 株価推移は初動こそ異常下落からスタートしたものの、月曜の東京市場開場までには持ち直してその後は週後半まで上昇を続ける堅調さを見せました。結果、初動で15100円まで下げた日経先物は最大で19300円まで上昇し、週末クローズ時点で18500円まで上げてクローズしています。日経でこの上げ幅は洋傑も見たことがありません。ダウに関しても同様の推移で動いていますが、週を通しての傾向で、先週とは異なり日本株より米国株が強まっている感はあります。

 まあ政府施策だけでも雲泥の差がありますものね…。日本のクーポン券案は…何なんですかねあれww

 

 次週の推移は日経基軸で考える方が良いかもしれません。というのもランド円推移が時間帯によっては相関性が強いから(東京時間は連動したケースもある一方、欧州時間は殆ど勝手に動くのがランド円ですので…)です。またチャート的にも逆三尊形成かの瀬戸際ですので、わかりやすいとも言えます。

 週初動ないし直近の推移判断は18200円~18300円ラインを割り込むか反発するかどうかになると考えています。ここで反発すれば19800円までの上昇余地はあるので期待できます。また同時にテクニカルの部分(特にフィボナッチ・リトレイスメントの観点)に於いて、この19800円が推移を不安定にさせている要因であると考えています。

 

 先週の記事内で書きましたが、直近の下落幅(24480円→15178円)のフィボナッチ・リトレイスメント50.0が19829円となり、38.2を越えている現時点(戻し46.0程度)においては、まだ上昇しないと不自然と言えます。その一方で、上記の直近最安値15178円は2009円からの上昇幅に対してのフィボナッチ・リトレイスメント50.0を明確に超えてしまっています。これにより更なる下落の可能性は中短期~中期に於いて発生する可能性がかなり高いとみています。

 現在の位置づけは正に”ゆくゆく株価は更なる下押しをしそうだが、その為には上昇が足りない”という不安定なポジションであるとみています。

 

 ランド円を見ていると最重要事項であるムーディーズ格下げばかりに目が行きますが、概況はトランプ大統領の一時関税免除案浮上と決して悪い状況ではありません。今日の安倍首相の18時会見に於いても「非常事態宣言」さえなければ”何だったんだ会見”位ではもう下がらないと個人的には考えています(笑)。

 

 以上の点から、次週の株価推移は不安定推移ながらも19800円まで上昇後、相場下落に転じると考えます。

 

 

◆通貨インデックス

 通貨指数動向は先週動向からの反動か、ドル安・諸通貨高で推移しました。クロス円には値幅はありますが上昇傾向で推移している状況です。株価上昇に対して円高・諸通貨高で現れており、未だにリスク回避資産としての円高は機能を回復したとは言い切れない状況です。週末にかけては一時的に株安・円高に振れましたが、まだこれだけでは避難通貨機能回復とは言い切れないと個人的には考えます。

 

 傾向としてはドルが下落顕著です。この1週でドルインデックスは0.500近く下がっています。先週ほどではないにしろ、下落幅は異常値と言える規模です。また直近推移がかなり急激かつ一方向で進んでいる為、こういった推移ではフィボナッチが活用できそうです。61.8の節目が98.130前後にありますので、その辺で反発すれば再度のドル上昇になる可能性はあります。

 同時に円も節目にかかっています。直近最高値0.009320を明確に超えるようであればトレンド転換とみなした方がよさそうです。そういった意味では週初動から上抜け・ないし反落の動きが出そうです。

 

 次週推移としてはかなり難しい判断局面ですが、最終的にはドル高・円高に振れると考えます(途中経過は不明瞭)。

 

 

◆債券(日本債・米国債・ドイツ債)利回り

 債券動向はランド円との相関性が非常に薄れた一週間でした。結果としては米国・日本・ドイツとも債券買いが進んで利回りは総じて下落してクローズしています。そして、今までは各国動向によってバラバラであった債券利回りが、ここにきてまとまってきた感があります。いずれも下落トレンドを形成しつつある点に於いて、顕在リスクは上昇傾向に入った可能性が高いと考えます。

 

 しかし、下落傾向に入ったと思われる一方で、ごく短期には上昇する可能性が高い推移に伺えます。動きが顕著なのがドイツ債であり、今現在は下落W字形成まで今一度(もしくは二度)の利回り上昇はあって然りの状況です。ドイツ債の推移は15:00~26:00前後の稼働なので、その間の推移は米国債と日本債に頼る事になりますが、こちらは推移がドイツに比べてかなり不安定です。米国時間後半~東京時間の債券推移はあまり気にしない方が良いかもしれません。

 

 次週の債券推移としては、アップダウンを伴いながらも下落傾向を推測します。

 

◆リスク指標・南アフリカ債利回り

 金価格は週間を通して下落傾向ですが、まだ下落と言い切れるほどの流れではなく、三角持ち合いからの上昇に至る調整局面である可能性もあり、まだ判断が難しいと言えますが、依然として潜在リスクは高い局面であることは間違いないと推測されます。

 また、原油価格は再び下落を始めており、直近最安値まで目前です。ここで下げ渋るか反発するかは分かりませんが、金価格同様にリスクは高まっていると言えます(これは原油減産合意が成されなかったためでもあるでしょうが)。

 

 南アフリカ債利回りは週半ばに急落した以外は概ね上昇傾向と言えます。まあこの下落が洋傑の知っている限り最高規模の下げ幅(10%程度の異常下落)であった為、週を通してみれば下落しています。

 但し、週末クローズ後に遂にムーディーズ格付けがジャンクとなりました。この事によって国際金融機関の南アフリカ債からの引き上げが確実になりました。これによって初動は異常上昇することが確実と思われますが、既にこの短期間で以上に売られている状況から、多くの期間からの資産引き上げは概ね終わっているのではないかと個人的には推測します。そしてこの初動推移はランド円相場推移に連動する可能性が非常に低いと考えます。

 

 その理由としては既に週明けオープン後からランド円相場に格下げの影響が出る点、直近の推移からの相関性の薄さなどが主な理由ですが、逆に週初動を除き、ようやく南アフリカ債利回り推移がまともな判断指標として機能する展開にも期待できます。

 

 総合的な部分としては、債券に関しても主要先進国債利回りが総じて下落傾向を形成し始めている点、リスク指標の高まりなどから、基本的には相場下押しの展開とするも、株価は下値節目を越えつつも高値節目も越えていない点、円の一旦の反落推測などから不安定推移を伴いながらも一旦は上昇する流れを推測する。

 但し上述の通り、ドル反発の気配や円上抜け懸念、株価も節目を迎えれば落下する可能性が高い点などから、最終的な相場展開は下落と考える。

◆概況動向から考える、次週の展望について(ランド円除く概況推移展望)

 

 以上の動向から、次週の書く諸指標推移を以下のように考えます。

◆総合判断:概況は不安定に上昇した後・下落反転

◆諸指標根拠:

 ①株価:日経先物に於けるF50地点(19800円)までの上昇期待と、下値節目越えからの下押し展望

 ②指数:ドル反発・円上抜けの気配

 ③債券:利回り下落傾向への統一化

 

 …となります。概況推移を総合的に判断すると「相場下押しの可能性が高いが、今一度の上昇はある」といった感じです。

 明日アップの週間ランド円展望は、この諸指標概況推移展望を基に、南アフリカ債利回り推移や検証中指標分析法・エリオット波動の観点から総合的に記載します。