洋傑の個人的ランド円展望(2020年4月21日)

 

◆週間展望はこちら

◆先週までの推移考察と今後の推移展望記事

◆エリオット波動の観点からのランド円推移展望記事

 

◆先週展望の結果検証

◆洋傑の主観に基づいた4月4週展望(偏見解)

 

※本記事内容は洋傑の個人的な見解に基づく展望を書いております。あくまで個人的見解であり、明確な先行きを示唆する内容では無い点をご理解の上、ご覧ください。

◆東京時間(9:00ー15:00)ランド円推移展望:

 

 昨晩のランド円は、というより昨日のランド円は夜記事通りの「上げて下げて」を繰り返す結果となりました。結果的には相場が進んだ気配は薄く、月曜スタート時と余り状況は変わらないように感じます。

 

◆諸指標推移

 まず諸指標推移ですが、統一した見解として「動いていない」いうのが正解な相場推移と言えます。

 

 株価は19300円~19800円の間で上下しましたが、これは再度の高値もつけず、三角持ち合いの下限も抜けず…といった具合に方向性がある推移とは言えません。今一度の上昇があっても、そのまま下抜けても不思議はなく、株価推移は不安定かつ不明瞭です。

 

 通貨インデックスも同様に、ドル・諸通貨推移は大きな持ち合い相場内の動きです。今後の「最終的な」方向性は週間展望に書いた通り”ドル高・円微安ないし横ばい・諸通貨安”ですが、まだ途中経過に於いて真逆の推移はする余地があります。

 ただ、今後直近の方向性についてもドル・円などが不明瞭な中、資源国通貨は下げ余地があり、そして現状推移がじり安です。恐らく東京市場ではこの推移に沿って資源国・新興国通貨が下げてきそうな気配があります。対して円はあまり三角持ち合いを壊さない前提に於いては下値余地がありません。仮に相場を大きく崩す展開がなくとも、諸通貨安は進みやすい地合いです。

 

 債券こそ動意がはっきりしません。ドイツ債ですら小幅に推移して終わり、膠着相場を如実に表しています。今後の推移についても東京市場で大きく動くかは微妙です。

 

 リスク指標は金高・原油下落で進んでいます。ドルが殆ど下がっていませんので、明らかなリスク上昇と考えるべきでしょう。今後の推移も大きく変わる気配は当面ないように感じますが、東京市場は原油安の影響を昨日もあまり受けなかったので、推移に対して下押しをかける材料になるかは微妙です。

 

 

 以上の点から、昨日米国時間の指標推移と、今後の動意見込みは各個以下の通りです。

①株価:下落相場も方向性は出ず。

②通貨:ドル横ばい・円高・欧州通貨横ばい・資源国通貨下落。資源国・新興国は下げ余地あり。

③債券:ほぼ横ばい。今後推移は不明瞭。

④リスク指標:金高・原油安から、リスクは上昇模様

 

 トータルで見ると、諸指標で統一した動きが無く、東京市場は方向感を示すほどの大きな流れはないと考えながらも、仲値買いなどによる一時的なアップダウンは発生すると推測する。

 また、ランド円はドル建て通貨ペアである状況から、他のクロス円とは異なり、やや上向きに推移する可能性が高いと考える。

 

 

◆経済指標

 今日は東京時間にRBA議事要旨とRBA総裁の発言が控えています。

 前者も十分に警戒すべきですが、後者に至ってはこれ程の悪い経済状況下に於いて、前向きな発言で不安を抑える可能性もあり得ますので、正直動向が読めない部分が多く、直前のポジション建ては危険でしょう。

 動きも上下に直前は振れやすく、動向はしっかり見定めておくべき段階です。この発言によって膠着相場が動く可能性もありますので、十二分の警戒が必要です。

 

 

◆テクニカル(エリオット波動)

 この辺は先週土曜日・日曜日の記事において幾つかのパターンを提示していますので、そちらをご覧ください。上記にリンクを貼っております。いずれも一時的な上昇ありきの下落トレンド継続で統一しておりますので、現時点ではその上昇・反転期間という、非常に不安定な時期と捉えています。よって波動推移は不安定であり、統一性に欠ける動きになる可能性が高いです。

 

 事実、昨日は大きな伸長も下落もなく、株価推移同様に方向性を出せないまま終わっています。この膠着がいつまで続くかは分かりませんが、個人的にはいつ崩れてもおかしくない状況であると考えています。

 

 テクニカル的にも直近の下落ライン上限で「あっさりと」反落して昨日は下落しており、やはり週間偏見解に書いた通り、ランドの弱さが表れています。まだこの持ち合い相場は続く可能性もありますが、今日の東京市場で5.76円を超えるような展開は考えづらい為、高値目処はその辺でしょう。もう一段下に設置するなら5.74円辺りです。

 また、下値については仮に膠着維持となった場合でも5.66円程度までは下がって不思議はなく、その辺が東京市場の下値目処と考えます…が、上記のRBA声明次第で変わる可能性は否めません。

 

 

 以上の点から、洋傑の東京時間展望を以下の通りとします。

1)推移レンジ:5.66円-5.76円

2)方向性:じり安推移。RBA声明発表後は急変警戒

3)その他:RBA議事要旨・声明には警戒(特に後者)

 

◆洋傑の偏見解
 …あんまり展望と見解は変わりませんね。正直に書けた内容であるし、比較的腑に落ちる内容でまとまりました。基本的には資源国通貨が(おそらくは原油の影響で)下がっている部分は東京市場でも影響が出るでしょうし、資源国と新興国で通貨移動が多かった最近ですが、今日に限ってはRBA関連のイベントも控えていますし、資源国が下がるから新興国へ…といった投機要素は薄まる可能性が高いと見ています。よって投機筋は売り優勢かと考えます。

 

 諸指標推移にはあまり書きませんでしたが、ここにきて新興国通貨と資源国通貨に動向差が出始めています。これが一時的な動きなのかどうかは分かりませんが、確かに今は投機からは逃げるべき局面であると洋傑も考えますので、今日の東京市場に於いてはドル高のみならず、円買いも進むかもしれませんジシンハナイ。

 

 テクニカル的には膠着を脱してはいません。ただ下落ライン上限で毎回綺麗に反転している点にランドの弱さは露呈していますし、RSIでもそろそろ下がる気配があります。

 

 洋傑の偏見解では東京時間レンジを5.60円-5.73円とし、初動はじり安、後半はRBA次第ながらも下抜けを考えます

 

◆欧州時間(15:00-22:30)推移展望:

 

 今日の東京時間のランド円はじり高→急落の展開となりました。午前中は諸指標推移も大きな変動が無かったものの、金委員長の重体報道によって一気にリスク回避に動き始め、ランド円も下落する推移となっています。このタイミングで無ければ違った形で市場も反応したかも知れませんが、時期が時期です。リスク回避の動きは今後の欧州市場に於いても支配的になる可能性が高いと見ています。

 

 また、この報道による諸指標の動き方に変化が出てきたようにも感じており、今後相場推移はこの報道によって大きく動くと個人的には考えています。

 

 

◆諸指標推移

 株価は朝はじり高でしたが、その後は横ばい、北朝鮮報道後は下落と推移が移っています。方向性hとしては未だに三角持ち合いを破った感はありませんが、上方収束型トライアングルをやや下抜けた気配があります。これにより株価は今後下落を強める可能性が高まっています。

 

 通貨動向ドル高・円高・諸通貨高となっており、従来までの「円と諸通貨の連動」が破られています。これによりリスクオン・オフのクロス円の上下がかなりはっきりしてくることが想像できます。現状は北朝鮮報道で円高・ドル高となっており、時間的な部分もあるのか、ドルより円が優勢です。この流れは本当に久しぶりのような気がします。

 諸通貨は欧州通貨・資源国とも下げ幅が同じ程度であり、今後も下げが強まる可能性が高いと考えます。また、円推移が急上昇している点から、クロス円は欧州時間に於いて下落が強まる気配が強いです。

 

 債券推移は未だに方向性を見出せませんが、ここにきて米国債利回りが相場下抜けの気配を強めています。まだ直ぐに動きが出るかは不明瞭ですが、少なくともマイナス材料ではあります。

 

 リスク指標は金上昇・原油上昇となっており、潜在リスクは朝からは横ばいと言ったところです。直近推移から見ればやはりリスク上昇傾向と見るべきでしょう。

 

 南アフリカ債利回りは昨日も下落優勢で推移しましたが、中短期下落トレンドの下限を舐めるように推移しており、このラインは抜けていません。よって「いつでも反発できる状況」と言えます。勿論下抜けも可能性としては無いとは言えませんが、直近までのチャート推移や現状をの地合いを考えた場合には上昇と見るのが自然であると考えます。

 また今日の初動は北朝鮮報道で上昇しやすい地合いです。洋傑も上昇スタートを考えています。

 

 

 以上の点から、稼働している範囲の指標推移と、今後の動意は各個以下の通りです。

①株価:じり高から下落へ。今後は持ち合い相場ブレイクの気配アリ

②通貨:ドル高・円高・諸通貨安。今後も流れは継続する可能性高。

③債券:動向不明瞭。今後の推移はドイツ債利回り次第も

④リスク指標:横ばい。直近推移としてはやはりリスク上昇の判断

⑤南アフリカ債:上昇スタートの可能性高。傾向も上昇継続するか

 

 トータルで見ると、北朝鮮報道でリスク回避の動きが強まった点、それに円が反応した点を基軸として、クロス円は下押しの強い展開を推測する。

 

 

◆経済指標

 今日は欧州時間にIFO景況指数の発表があります。4月結果という事で非常に警戒されるところであり、結果発表前まで上値は重くなると見ています。その後の推移は結果次第でしょう。

 

 

◆テクニカル(エリオット波動)

 波動的には昨晩から大きく動いていませんが、現状推移は5.716円から始まるランニング調整波動(フラットないしトライアングル)であると考えており、一通りの波動推移は終えている可能性が高いです。よってこれからは「いつ下がるか」の局面に入っていると思われますが、それが今回の報道によって動き始めるかがポイントになるでしょう。

 

 見極めは5.65円ラインを明確に越えるかどうかであると個人的には考えており、抜ければ5.61円の売買攻防、そして5.52円~5.55円の防衛ライン攻防と移行すると思われます。

 既に相場膠着は終わる気配が強い感じがしますが、仮に反発しても昨日高値5.76円が上限であると考えます。そして方向性はやはり下向きが強いと見ています。

 

 

◆欧州時間ランド円推移展望

1)レンジ:5.61円ー5.75円

2)方向性:下落優勢。ただ円推移の変貌によってアップダウンは激しいか

3)その他:独IFO景況指数の結果によっての相場変動には警戒。トレンド転換もあり得る。

 

 

◆洋傑の偏見解

 朝同様に方向性や動きは展望と殆ど一緒です。基本的には下向きで見ていますし、ものすごく偏った見方をすれば、今日は総売り状況になるのでは、という考えすらあります。やはり円がリスク回避通貨として機能し始めた事は、相場変動に大きく寄与しそうです。

 

 展望では5.61円を下限としましたが、投げ売りになった場合は5.50円辺りまで下がる事もありえますので、こちらの下値は5.50円とし、高値は今日の高値5.74円とします。