◆アップダウンが激しいながらもじり安展開となったランド円
昨晩はポジション建てした方にはかなりつらい相場展開だったのではないでしょうか。朝は5.81円でスタートしたランド円は東京市場初動に於いて5.80円タッチまで迫ったものの、一昨日の安値5.801円を僅かに割り込むことができずに上昇、一昨日の始値5.84円に超えるまで上昇しました。
その後の欧州市場では逆に一転して急落相場となり、5.77円まで下がる局面もあったものの、再度の浮上で東京市場につけた高値を越える展開と、方向性に一貫した流れがありませんでした。
日別の動きで見れば現状は緩やかながらも5.908円を頂点に下落局面にあると言えますが、まだ連日書いてきた5-3-4トライアングル修正波動e波が終わったかどうかの厳密な判断ができない状況でした。それは今も洋傑の中に於いて断定できるほどの内容には至っていません。
軽率な発言をするなら「もうすでにe波は終わり、下落5-3-5波動が始まっている」と言いますが、展望記事に於いては中道的・客観的状況を判断して書くのを旨としていますので、ここはまだ慎重に行きたいと思います。
さて、少し話を戻して、緩やかな下落局面にあると書きましたが、これは連日の終値がじりじりと切り下げている事からも明確な動向であると考えています。問題はその下げが緩やかでアップダウンが大きい為、短期取引以外は連日含み損に陥る局面が多いという事です。
今日はこの流れが続くかどうか、推測してみたいと思います。
◆東京時間は再び持ち直し相場??
東京市場では株価持ち直しがまだ優勢であると考えています。これはあくまで推測ですが、日本債利回り推移の動きから推測している展開ですが、今の動きを見る分にはまだ今一度の上昇と高値更新がある可能性を残しています。
洋傑、個別株まで見ていませんので厳密なことは言えませんが、まだ株価が本下げするには幾分の時間的猶予があるように感じています。いずれ下がる見解に変わりはありませんが、今日の動向に於いても大きな下げには至らないと推測します。
その動きが東京市場で出るかどうか、つまり持ち直しがどの局面で来るかですが、これは昨日動向から見れば中国市場が開いた前後で本格的に上がるのでは、とみています。よって東京時間はランド円も(時間帯的に株価連動しやすい為)上昇傾向になる可能性が高いと考えます。
時間的にチェックするのは債券(直近推移では日本債がやや信憑性高)と円インデックス推移でしょう。
◆欧州時間は再び安定の”不安定相場”か?
ここもまた、安定しない推移が推測されます。主な理由は南アフリカ債利回りの位置が非常に微妙である点、南ア債利回りがテクニカルに対して劣勢であるがゆえに、相場推移が流動的である点などが挙げられます。
南アフリカ債利回り推移はここ数日非常に流動的ながらも着実に上昇傾向です。但しその推移が非常に緩慢であり、波動形状が最近よく出てくる「上方収束型トライアングル」になりつつある点などです。この波動形状には「リーディング」と「エンディング」の2形態がありますが、現状推移から見れば前者の可能性がかなり高いと見ています。
但し、あくまでどちらの波動も一度下がるのが前提です。そして南ア債利回りにはその下げ余地が連日のアップダウンによって十分な幅があるのも事実です。恐らくは今一度の急落(ランド円上昇)が来ても不思議はないでしょう。
そして、テクニカル的も今一度の上げがありそうな気配です。
現在のランド円チャートは下落W字を一度描いていますが、真ん中の上昇が低い「リアルW字」チャートを形成しています。洋傑の経験則から書けば、この形態は今一度の上昇があるケースが多いです。そして、直近高値5.908円と昨日高値5.852円を結ぶ下落ラインにそった下値で、ランド円は止まっています。
この事からも、ランド円は今後上昇する事が考えやすい素地が整っています。そして洋傑の展望が正しければ、恐らく次の上昇が下落前の最後の上昇になると見ています。
その推定高値目処ですが、直近高値と安値のフィボナッチ・リトレイスメントが作用する可能性が最も高いので記載しておきます。
◆直近高値-安値(5.908円-5.753円・0.155円)
・F50.0:5.830円
・F61.8:5.848円
・F76.2:5.871円
チャート推移から見れば50.0が可能性として最も高いですが、この辺は柔軟に見る必要があるでしょう。
◆洋傑の東京時間・欧州時間ランド円レンジ推測
以上の点から、洋傑は各時間帯の推移展望を以下のように考えます。
◆東京時間(オープン~15:00)推移展望
・予想レンジ:5.76円~5.81円
・方向性:方向感ない推移
◆欧州時間(15:00~21:00)推移展望
・予想レンジ:5.74円~5.87円
・方向性:アップダウン。推移は不安定