洋傑の個人的ランド円展望(2020年5月15日)

 

※本記事内容は洋傑の個人的な見解に基づく展望を書いております。あくまで個人的見解であり、明確な先行きを示唆する内容では無い点をご理解の上、ご覧ください。

◆欧州時間-米国時間(15:00-翌クローズ)推移展望:諸指標+波動見解

 

 昨晩のランド円推移は全くの想定外、日付変更前後から相場が反転して買いが優勢となり、株為替とも上昇傾向となりました。株価もダウ先物が300ドル以上の値戻しで再び23000ドル台を回復したほか、為替も円売りが優勢となって一気にクロス円が上昇する結果となっています。

 ランド円に関しても同様で、朝からの下げを全て戻して、 5.815円前後でクローズしています。

 

 ここ数日の展開については、洋傑、全く精度が伴っていません。個人的な事情もあり、個人的分析・展望がしっかり書けなかったこともありますが、何より、個々の分析不足が大きかったように感じます。

 

 そこで今日は従来のスタイルに戻して書いてみたいと思います。

 

◆諸指標推移

 

・株価推移

 株価推移は壮大な行って来いとなりました。これ程の値動きをするのは久しぶりのような気がします。東京市場は先日の米国時間の弱気推移を受けて大きく下落、その後の中国・欧州も同様に弱気推移となったものの、米国時間から値戻しが始まり、結局は始値以上の上昇でクローズしています。…ダウ先物は。

 

 そんな強気相場の中に於いて、日経先物は全く戻ってきません。始値が20170円程度で、終値が20070円程度ですから、ダウがまとまった上昇を見せたのに対し、日本株が弱い印象です。

 

 今後の推移については…これまた非常に微妙な位置です。現状は下落ライン上限ぎりぎりの位置で止まっていますが、同じ株価でもダウはやや上抜けた印象があります。直ぐかどうかは分かりませんが、恐らく日経に於いても再度の20200円越えはある可能性が高いです。但し、それが東京市場・欧州市場で現れるかどうかは不明瞭です。

 そして、厄介なことにそのダウ先物推移に於いて、こちらは中短期見解に於いて、現状の緩やかな下落ラインを昨日の急落局面で下抜けています。一時的な抜けではありますが、現状の下落ラインから想定される高値24000ドルまでは、今後上昇しない可能性が高いのも、今の見解として存在します。

 

 色々書きましたが、日経先物基準で考えると、昨日高値20100円前後を明確に超えると一旦は強気相場に、反落するようなら一旦は弱気相場に傾くでしょうが、先行きについては非常に判断がしづらく、他指標推移を見ないとはっきりしません。

 

 

・通貨インデックス

 通貨インデックスは顕著なドル高と、株価反比例の円推移がはっきりした傾向と言えます。

 ドルはリスクオフ・オン問わず(どちらかと言えばリスクオフの時の方が伸びている気がします)伸びているので、今後の傾向としてもこれは大きく変わらないかもしれません。少なくとも今日はそうでしょう。となってくると、東京時間でのドル買い(仲値買い含め)でランド円は押し上げられやすく、欧州時間は上値抑制要素ともなりそうです。

 

 円推移も株価連動で綺麗な反比例を示しています。今現在は避難通貨として機能する側面が強くなっているのが顕著に表れています。その円インデックスは、チャート推移から見れば綺麗な中短期での三尊を形成しており、今後0.009270前後までの下落が推測されます。

 大体4月中旬~下旬の頃の位置まで下がる格好ですが、この時期はランド円も低い水準(ドル高・円安・諸通貨安でどの時間帯でも上昇しにくかった為)でしたので、円安=ランド円上昇とは言い切れませんが、この時期は諸通貨動向と比例していた円だけに、やはりランド円には上昇に寄与しやすい地合いです。

 

 資源国通貨動向も上昇傾向です。こちらは現状の位置から明確に抜けるようなら、かなりの上昇が想定されます。

 

 

・債券動向

 債券はドイツ・日本債利回りとも中短期に於ける膠着相場に陥っており、大きな動きがない状況です。それだけに推移自体は比較的小幅でも動向として影響は出やすく、次第に先行指標としての機能を取り戻しつつあります。

 

 その中短期推移に於いて米国債利回りが怪しい推移です。昨日の記事にも書きましたが、現状の上昇ライン下値を昨日の推移に於いてブレイクしています。これは株価と同様に動きでしょう。今後の対する大きな懸念要素です。そして、ごく短期的にも下がりそうな気配です。これは株価推移とは一線を画した動向と言えます。この債券動向が一定の影響を行使し始めた時期に、米国債利回り推移で上記傾向がみられる状況は、今日の相場の不安定要素となりそうです。

 

 

・リスク指標+南アフリカ債利回り

 リスク指標は原油上昇・金上昇です。

 金推移については、ドルは然程下がっていませんので潜在リスクは上昇していると言えますが、影響はまだ大きくは見らません。今日の推移についても影響は限定的でしょう。

 原油価格は直近で力強い動きを見せており、まだ衰える気配がありません。これが株価等の後押しになる可能性が非常に高い一方で、上昇が一定期間続いていることによる戻り売りも意識されやすい時期です。動向には注意を払う必要があるでしょう。

 

 南ア債利回りは昨日大きく上昇しましたが、結果としてランド円への影響は限定的となっています。恐らくは円推移がこの影響を減衰する事に一役買っているようですが、ともあれ、南ア債利回りは上昇トレンドに入っていると言えます。

 

 但し、20年債利回りは5月6日高値11.540を意識したのか、昨日は11.485で反転下落しています。この動向が今日の推移を不明瞭にしています。動きから見て利回り下落スタートとなっても不思議はありませんが、一方で短期の上昇ライン下限はまだ割っていません。そして昨日推移はその局面ですべて反発するという傾向が顕著に出ていました。この推移経過は重要です。

 この事から見て、洋傑は上昇優勢に推移すると見ていますが、恐らく上記ライン11.540辺りで上げ渋る展開となる事が推測され、ここを抜けるかどうかはかなり微妙なところです。

 

 また、一定の影響は与えつつも、ランド円下落にはあまり寄与していない事実もありますので、影響度は不明です。

 

 

◆経済指標

 今日は午前中の中国鉱工業生産や失業率、欧州時間の独GDP、米国指標は様々に重要指標が控えています。変動は大きいと

考えます。

 

 

◆テクニカル(エリオット波動)・オシレータ

 チャート推移から見ると下落W字が昨晩推移で完成した風に見えます。個の見解から言えば昨晩高値を越える展開にはなりずらいというのが、チャート分析からの見解です。

 エリオット波動的には昨晩の上昇(5.700円→5.825円・0.125円)が、直近下落幅(5.908円→5.700円・0.208円)のフィボナッチ・リトレイスメント60.0に相当し、こちらも61.8近似値としてまずまずの位置です。上昇目処としては5.86円程度までは理論上あると思われます。

 

 直近の見解としては高値がどこで止まるか、という点でしょう。これについては

①現状高値:5.825円

②前回高値:5.852円

③フィボナッチ・リトレイスメント76.2-78.6:5.85円-5.86円

 のいずれかが有力であると見ています。

 

 安値目処としては

①昨日膠着点:5.74円-5.75円

②昨日安値:5.700円

 が有力です。

 

 テクニカル的には1時間チャートでの雲に差し掛かっており、一旦の下げが考えられる局面である点や、高値位置が反転ポイントとして意識されやすい事から、一時的には下げやすい地合いと考えます。その下げが一時的なものかどうかは、今後の推移次第でしょう。

◆東京時間-欧州時間(オープン-21:00)推移展望:

 

◆東京時間-欧州時間ランド円推移展望

1)レンジ:5.70円ー5.85円

2)方向性:アップダウン大きいか。方向性はやや下向き

3)その他:特になし