洋傑のつぶやき(2021年1月1週ランド円推移展望)

 本記事は洋傑の個人的見解要素が強い内容となっています。その点を予めご理解の上、ご覧ください。

◆先週までの振り返り:基本的には膠着相場ながらも、上値が重い展開に

 

 先週のランド円は閑散取引でもあり、狭いレンジながら急激な推移が目立ちました。下値7.00円・高値7.08円という非常に狭いレンジでしたが、このレンジ内では割と激しい動きになっています。

 

 概況は初動で大きく値を伸ばした株価を先頭に、比較的リスクオンともいえる状況が継続した印象です。先進国通貨はインデックスに於いて軒並み下がり、資源国(特に加ドルと豪ドル)が大きく値を伸ばしています。特に豪ドルは直近最高値をマークしており、これだけ見ればランド円にも下げ要素は殆どなかったように感じます。

 

 ですが、実際はランド円推移はじり安となっています。これは新興国通貨全般に言える状況でしたが、印象的には仮想通貨や資源国通貨に資金が流れているように見えました。

 

 一方で債券推移は緩やかながら下降線を描いています。株高・債券買いが進む状況はリスクオフの前ぶれ時によくある傾向であるだけに、今後の下げ材料として考えておく必要がありそうです。

 

 それらを含め、次週の展望を書いていきたいと思います。 

◆次週のランド円推移推測:テクニカルは下落材料が揃う中、諸指標推移に注目か

 

 テクニカルについては前回記事に直近までの考察・見解をまとめています。現時点でもこの見解を継続していますので、そちらをご確認ください。基本的には直近最高値7.145円を越えると7.28円前後まで上昇する可能性が高まりそうです。

 

■前回記事はこちら(ランド円テクニカル分析)

 

 ただ、これは昨日ツイートした内容ですが、現時点でこの高値を越える可能性はファンダメンタルズの観点からも、諸指標推移からも低いと見ているのが洋傑の見解です。

 

 新型コロナ(変異種含む)の感染拡大が進む南アフリカの通貨であるランドに資金が集まる状況が現時点では薄い事や今週控えるジョージア州決選投票前のリスク回避の可能性、また何より諸指標推移における南アフリカ債利回り(10年)推移が12月17日をピークに反転している点などから、ひとまずはこの7.145円を越えずに昨年春からの上昇トレンドを割ると、現時点では考えています。

 

 諸指標推移やファンダの面のみで判断するのはやや危険ではあるので、あくまで7.145円を一旦の高値目処として、越えるようなら7.28円を次の抵抗ラインと捉えて臨む、という位が丁度よいかも知れません。

 

 色々書いてややこしくなりましたが、諸指標推移・ファンダメンタルズの面から見た下げ要素として以下の点を考えています。

①南アフリカの新型コロナ感染拡大

②南アフリカ債利回り(10年・ランドインデックス相反指標)の反転

③先進国債利回りの下落傾向(ドイツ債10年利回りは一時的に異常下落)

 

 ランド円の上昇要素もあります。現時点の株高・資源国や仮想通貨の強気相場などはランド円に関しても少なからず上昇する要因にはなり得ます。

 

 ただ、ファンダと諸指標推移を総合的に見た場合、やはり下げ要素が強く、今後の展開としてはランド円下落に傾く可能性が高いというのが洋傑の見解です。この辺は最近ランド円推移と連動要素が最も強い南アフリカ債利回り推移を見て判断していくのが良いと考えています。週明けの欧州市場には注目と言えます。

 

 テクニカルの面から見ても前回記事に書いた通り、abc調整波動(5波動もどき)として一定の整合性が取れており、反転位置としては適切な位置であるとも考えています。

■1波動目(a波):5.607円→6.561円(0.954円)

■2波動目(b波):6.561円→5.959円(0.603円)

 ※フィボナッチ・リトレイスメント:63.2(≒61.8)

■3波動目(c波):5.959円→6.901円(0.942円)

 ※3波動/1波動=0.987(≒1.000)

■4波動目(c波):6.901円→6.670円(0.231円)

 ※4波動/3波動=0.245(≒23.6)

■5波動目(c波):6.670円→7.145円?(0.475円?)

 ※5波動/1波動=0.498(≒50.0)

 ※5波動/3波動=0.504(≒50.0)

 

■a波:5.607円→6.561円(0.954円)

■c波:5.959円→7.145円(1.186円)

 ※c波/a波=1.243(≒1.236)

 

 これらの点から、次週は先週同様に基本は下げ目線の相場になると考えます。

◆ランド円レンジ推測:6.50円ー7.15円

 

 以上の内容とまとめると、

 

ⓐ諸指標推移は株高・資源国通貨高という状況ながらもランド円はじり安である現状、また先進国債利回りの顕著な下落傾向(一部指標は異常下落したものも)と南アフリカ債利回りの上昇傾向からランド円の上値は重いと推測する。

 

ⓑテクニカル面では5.607円を始点とした、コロナッショック後の調整上昇相場が終わったと考えており、直近高値7.145円を越える展開はないと考えるが、上抜けた場合は7.28円前後まで想定する必要は出てくると考える。基本は下落傾向と推測するが、6.900円・6.800円・6.500円にそれぞれのトレンドラインがあると見ており、いずれかの点での反発が予想される。

 

 となります。あくまで不意のフラッシュクラッシュなどが無い場合のレンジとなりますが、6.50円(概ね6.80円辺り?)~現状の高値までが来週推測のレンジとなります。

 

 基本は下落優勢になると見ていますが、一定ラインまで下がったら急反発、といった推移を辿るケースも考えられますので、場合によっては然程下がらない形で週末クローズ、なんて展開もあるかも知れません。

◆洋傑のトレード戦術:引き続きショートホールド。追加売りは様子見で。

 

 洋傑は現時点で平均レート7.042円でショートポジションを持っています。ですので暫くはこのままホールドして静観したいと思っています。追加もしたいところですが、割と全力に近い売りですので、ここは我慢します。損切りは7.145円を設定。正直なところ僅かに高値更新して下落、といったケースも考えられますが、自分なりにルールを設定しておかないとずるずるいきそうなので割り切って設定しています。

 

 まだ今回の下げがどの程度の規模なのかの判断ができない位置であると思っています。勿論個人的な偏見交じりでいえば大きく下げるトレンドであると思っていますが、まだ現時点において材料不足であり、断定するのは極めて危険であると考えます。

 

 現時点で考えている下げの規模としては以下のパターンを想定しています。

①6.670円からの上昇トレンドに対する調整(6.900円迄に反発する小規模下落)

②6.116円からの上昇トレンドに対する調整(6.700-6.800円迄に反発する中小規模下落)

③5.959円からの上昇トレンドに対する調整(6.500円前後で反発する中規模下落)

④5.607円からの上昇トレンドに対する調整(5.900-6.400円迄に反発する大規模下落)

⑤5.607円からの上昇トレンド終了による本下落(5.600以下に落ちる超規模下落)

 

 個人的には①④⑤が可能性として高いと見ており、①ラインを越えるようなら一定規模になると期待しています。

 …ただ、来週然程下がるかは微妙な気も…。クラッシュ相場でもなければ明確に判断できるまでには至らないと思います。

 (*'ω'*)ナニカオキルカナ