洋傑のつぶやき(2021年3月9日・ランド円単日展望)

 本記事は洋傑個人の分析と見解に基づいた内容となっており、ランド円推移に対する個人的推測となります。

 予めご理解の上、ご覧頂くようお願いします。

◆はじめに

 

 本記事は単日展望である特性上、精度は週間展望やテクニカル分析には劣ると思いますが、直近の推移を織り込んだ分析と判断で考えていきたいと思います。

 週間展望及びテクニカル考察は以下のリンクからご覧になれます。基本的にはこの内容を踏襲した前提で進めていきますので、おおよその流れは下記リンクから確認いただけると幸いです。

 

※ランド円週間推移・テクニカル分析

※ランド円週間展望

 また、これまでの週間展望記事の精度が比較的良いので、基本は分析内容を踏襲してこちらも進めます。また単日展望である関係上、諸指標推移の書き綴りとテクニカル考察は基本週間記事を前提とします。

 

 

 では始めましょう。

◆諸指標推移判断・トレンド考察・総合判断

※指標動向については数値判断から動向考察に切り替えます。

 

 昨日は東京時間で上昇した各種相場が中国市場の参入前後で頭打ちとなり、欧州時間前と序盤に大きく下げる展開となりました。ランド円もその影響を受けた他、南アフリカ債利回りの急上昇を受けて値を下げ、朝の高値から見ると10銭以上下げて6.971円まで下落しています。

 しかしその後は株価の反発を受けて上昇、米国時間前~開場直後まで値戻しした結果、昨日オープン価格よりは4銭程安くなったものの、比較的下げ幅の押さえられた推移となりました。

 

 洋傑は個人的には上昇、客観的動意を含めると中立と考えていましたが、いずれの内容も外しています。正直、東京市場後半の中国株を主軸とした株価下落とそれに連動したクロス円の下げが欧州時間も維持されるとは考えておらず、再び反発すると考えていたので、完全に目論見が外れた格好です。

 その後は7.005円も割って一気に下がると思いきや、こちらも案外早々に反発しています。結局下値は欧州時間序盤に付けたものであり、その後の推移はある程度の変動はあっても上昇優勢でした。

 

 昨日のランド円推移は株価とほぼ連動しています。その株価もランド円同様に欧州時間序盤が最も安値をマークしており、その推移は先進国債利回りに強く影響を受けています。債券推移と株価の相関性はここ最近の「債券利回り上昇→株価下落」を維持しています。

  

 債券推移は依然として上昇が優勢な状況ですが、目先の動意が小幅で不明瞭です。株価は債券に比べて現状推移が買い優勢であることや、昨日の下げをけん引した印象が強い中国株が今日のこの時間帯に強い動きを示していることなどから、欧州市場序盤までは株高が維持される事に一定の期待は持てそうです。

 

 通貨動向は顕著なドル高・諸通貨安となっており、ドルと円の乖離が広がっています。ランド円はその特性上ドルと円の影響を強く受けますが、現状推移であればあまりこれ自体によって上下する部分は少ないように感じます。しかし、クロスランドの状態を見ると先進国・資源国に対しては総じて上昇傾向(資金流出)であり、この傾向が改善しないとなかなか上昇しづらいように思えます。

 

 南ア債利回りも顕著な上昇傾向です。ただ昨日中後半がほぼ横ばい推移だった点もあり、今日の推移は不明です。

 商品価格は今日の動向こそ上昇優勢ですが、昨日及び直近の推移を見る分には原油高・金銀下げ渋り・銅反発・アルミ下落と言った感じになっており、好悪混ざった内容です。

 

 総合的に見た場合には現状の株高が欧州時間序盤までは維持される可能性が高いものの、その他の推移では今後の動意を推し量る事は難しく、南ア債券市場の動意や先進国債券推移をみて判断していく状況だと考えます。

 

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 次にテクニカル考察です。

 テクニカル的には7.348円から7.014円への下落過程、そこから7.191円までの上昇過程、再度そこから昨日の安値6.971円までの下落推移のいずれにおいても波動形態が3波動です。相場の反転には5波動衝撃波が伴うケースが多いので、現状のこの動向は大きく見た場合の曖昧相場にあると見ています。

 

 7.005円を下抜けましたが、個人的には再度の高値更新(7.348円)はあると考えており、その推測は変えていません。ただ今回の7.005円割れによってその高値到達までの推移がかなり不安定になるのではないかと見ています。

 

 また、上述の通りこれまでの推移がいずれも3波動構成である関係上、テクニカル的にはかなり上下に振れやすい展開が推測されます。再度の高値更新までには昨日安値よりも低い位置まで下がると考えていますが、その到来が今日すんなりと訪れるかはかなり微妙であり、今現在の推移は株価など諸指標推移の影響を強く受けやすい状況だと思います。

 

 また、7.014円から7.191円までの上昇(0.177円)と、そこから昨日安値である6.971円までの下落値幅(0.220円)が1.236倍近似値(1.243)となっている点も気になります。仮に相場が大きく後退して下がったとしても1.382倍位置までで収まる可能性は、昨日推移から一定あると考えますし、現状の推移は比較的反発しやすい構成になっているように思います。

 

◆ランド円レンジ推測:6.94円ー7.18円

 

◆今日の方向性及び推移推測・見極めラインなど

 ※指標判断およびテクニカル考察を総合して記載しています。

 

 方向性は…欧州時間序盤(~17:30前後?)までは上昇優勢ないし横ばい、それ以後は見極めラインと諸指標推移で判断とします。

 初動は昨日の傾向から株価に依拠した推移を考えており、現在の株価動向からすると上昇しやすい地合いであると考えます。ただ、奇想天外な推移をするのがランド円ですので、株高が維持されたまま下がるようであれば6.98-7.00円まで一度下がる事はあるかも知れません。その場合も再度反発すると考えます。

 

 欧州時間中盤以降は諸指標推移としましたが、正直推測が難しいと考えています。ここ数日の動きを見ても割りとコロコロ変わっている事が多いので、昨日の展開で言えば中盤以降反落する展開が最も考えられますが、先進国債券推移が中短期的な節目ポイントに差し掛かっており、米国債利回りが1.55を割るようなら、そのまま株価も上昇維持する展開が推測されます。

 また、南ア債も今日の推移がどうなるか不明瞭です。初動は諸指標推移を受けて下落スタートする可能性が一定あると思いますが、昨日の動きを見る分には影響度は先進国債利回りに比べて弱いかも知れません。

 

 そういった意味では先進国債利回り推移を基軸に、ランド円推移を考えていった方が無難に感じます。

 

 上値抵抗ラインとしては7.07円-7.12円、下値抵抗ラインとしては昨日安値6.97円-7.00円だと見ています。上値ラインを越えるようであれば今日の想定レンジ付近、ないしそれ以上の上昇(正直そこまでリスクオンになるとはあまり思えませんが)もあるかも知れません。

 下値抵抗ラインを抜けるようであれば7.014円→7.191円値幅の1.382倍近似値にあたる6.94円前後が意識されると思います。それを抜けるようであればもう一段下の6.90円・6.85円が見えてきますが、今の相場推移を見る分には、それほど大きく下げないと見ています。

 

 見極めラインとしては抵抗ラインと被りますが、上値は7.09円・下値は6.94円とします。

 7.09円を越えると7.191円からの下落トレンドラインを抜ける事になり、上昇はしやすくなると思います。ただ、推移は直近で3波動ばかりになっているので、越えたラインからの買いはややリスクが高いと思います。

 下値見極めラインも抜けたとして昨日のような反発が起きる可能性が高く、ポジション建てにはリスクが高いと思います。

 

 今日は動意値幅が大きい反面、仕掛けるには危険が大きい相場だと思います。個人的にはスキャルピングを除き、仕掛ける状況ではないように思います。